第10話

次の問題とは、人が寄り付かなくなったことだ。

みな、中身は変わらない俺に気付き,人が周りに居なくなった。

俺は気づいた。復讐にも時間と体力がいることに。

普段はいい顔をしている奴が、たまに冷たくなるのがいいのだと。

俺は演技で涙を流すようになった。

「みんな。冷たくしてごめんね。俺,間違ってたよ」

間違ってただなんて一言も思ってない口で言った。それからナナミと手を繋ぎ、(彼女は顔を赤らめていたが)その手の甲にキスをした。

彼女はとろけそうな笑顔で幸せそうだった。

ああ、そうだと思った。こう言うのが復讐なのだと。

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