第4話

 この町には変わった風習がありました。

 それは病弱な人にカナリアを飼わせることです。


 最初にカナリアを一羽殺します。

 そして別のカナリアを飼います。

 その人の病気が悪くなったとしても最初のカナリアの命を犠牲にしたのでその人は助かります。

 そして、飼っていたカナリアをまた殺します。

 また新しいカナリアを飼います。

 それを繰り返すといつか病気は治る…そんな迷信じみた風習がこの町にはあったのです。


 ほら、また。

 あのお屋敷には、病弱な少女の為に新しいカナリアが歌っている。

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