第32話 散り乱れ合う星と桜
(つっても…奴の魔力はもう殆どない…対して俺は3割弱程度は残ってる…馬鹿正直に接近戦やる必要もねぇな)
『全反射…』
『アレン選手消えたぞぉ!これは一体!?』
『これは彼のエネルギー操作魔法の光エネルギー操作による全反射ですね…光を全て反射することにより視認させない魔法です』
(卑怯とは言わせないぜ…お侍さんよ…
重力操作でこのまま飛翔し衝撃弾飛ばして終わりってわけ…俺は安全に勝ちたいからな…)
アレンは飛翔し、衝撃弾を放った。
ボンッ!
(視認できない運動エネルギーの塊だ!
さぁどうする?お侍さん!)
『ハッ!心眼!』
スパッ!
ボンッ!
武家屋敷は目を閉じ、ピンポイントで向かってくる衝撃弾を斬り伏せた。
『……我が心眼に小細工は通用せぬぞ…
アレン殿お主が宙に留まっていることも存じておる…』
『ハハッ…どうなってんだ全く…』
(目が閉じているから魔眼の類じゃねぇな…
第六感か…?まぁ何でも良いが…
ステルスも飛翔も衝撃弾も魔力ロスにしかならねぇな…じゃあこれならどうよ…?)
『
(超高速の光弾の連射だ!これは捌き切れねぇだろ!)
アレンは右手から魔法陣を展開し、光弾を連射する。
『ぬぅん!二刀!雨斬り!』
(拙者が傘を忘れ、濡れたくないが為に編み出した技よ!
この程度の弾全て斬り伏せ間合いを詰める!)
武家屋敷は二本目の刀を抜刀し光弾を物凄い速度で斬り伏せながらながらアレンに近づく。
『あー!もう!どーなってんだこの侍!常識のじの字もねぇじゃねぇか!』
(大技放とうにも…このスピードだそんな隙は作れねぇ…不意打ちや地雷も恐らく心眼とかいうインチキに看破される…
付き合うしかねぇのか!?斬り合いに!)
『身体能力最大強化!全魔力!全エネルギーを全て我が身に!』
アレンから白い光と強風が舞い上り、髪と瞳と剣も白く染まる。
(常人じゃここまでの魔力放出は出来ねぇし…
体もぶっ壊れる…"常人"じゃな…)
『ハハハッ!まだこれほどの魔力を!恐れ入った!アレン殿!さぁ!ゆくぞ!』
『お望み通り!斬り合ってやるよ!侍!
星屑ノ
『最早退路無し!背水の陣!
乱レ血ノ桜!』
ガキンッ!
アレンと武家屋敷は勢い良く踏み出し互いの刃を重ねた。
(星屑ノ
光(魔力)が全て散るか、相手が散るまで…まさしく終焉…恒星の最後の輝きってところだな…)
アレンが激しく動くたび星屑の如く光の粒が舞う。
(乱レ血ノ桜…この技は己の体の限界を超えた力を強制的に引き出す技也…過剰な強化に耐えかねた我が身が血飛沫を上げる…舞散る桜が如く…
この技を使った以上最早…退路無し!我が身が散るか!相手が散るか!二つに一つ!)
武家屋敷が激しく動くたび血飛沫が上がる。
アレンの光の粒に武家屋敷の血飛沫が反射し、桜が散っているかの様な幻想的な光景の中激しく斬り合う。
『ぐぬぬ…』
(これ以上は刀も体も持たぬ…
黄泉武者の影に潜ませておいた狙撃兵で奴を撃ち抜く!)
『テイィイイ!』
武家屋敷の叫びと共に狙撃兵がアレンに狙撃した。
ガキンッ!
アレンは即座に反応し剣で逸らし武家屋敷の方に銃弾の軌道を逸らした。
『なんと!』
『無駄ですよ…異国のお侍さん…極限強化状態のアレンさんはありとあらゆる感覚が研ぎ澄まされ…どんなエネルギーも探知する…
この状態のアレンさんは
観客席のアリスが呟いた。
『ぬぅん!』
ガキンッ!
武家屋敷も即座に反応し、銃弾を斬り逸らす。
『ハァアァァアァッ!終わりだァアァアァ!侍ィイイィイ!』
アレンはその隙を見逃さず武家屋敷に斬りかかる。
(狙撃兵も使えぬ…最早、絶体絶命…
されど!
此処で諦めていては武士の名折れ!
最期まで咲き誇ってこその武士道なりィイイィイ!)
『カッーー!!死中求活!!』
(見えた!そこじゃあァアァアァ!)
武家屋敷は無理やり体制を整えアレンと同時に刃を振り下ろした。
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