第29話 大魔導大祭開幕!
『ルディ〜ス!アァ〜ンドッ!ジェントルメェェ〜ンッ!
第82回!大魔導大祭のぉ〜!幕開けじゃーーー!!!』
ワー!ワー!
キャー!キャー!
実況のテンションが高いサングラスをかけた男の熱量に当てられ会場は大いに盛り上がっている。
『実況はお馴染みの!このオレェ!サングラが務めさせてぇ〜貰うぜぇい!
まずは今回の本大会の参加人数を発表するぜぇい!聞いて驚け!今回の参加者は8名!
この時点でベスト8が決定している異例の事態!ってことはぇ〜とどのつまりぃいぃい!とんでもねぇ奴らが参加してるってことさぁ!!!』
ワー!ワー!
キャー!キャー!
『このまま!選手紹介行かせてもらうぜぇ!
まずは1人目!
異例の速度でCランク冒険者に駆け上がった超新星!Cランクながら!ホワイトワイバーンをメグミ村の観光オブジェに変えた男ぉ〜!レン=キサラギィイィイ!』
ワー…ワー…
『ふーん…一発目にCランクか…なんか拍子抜けだな…』
『でもよ…お前メグミ村の氷漬けワイバーン見たことあるのか?ありゃすごかったぜ…』
『あの子…結構可愛いじゃない私応援するわ』
蓮の登場に観客達が反応する。
『ラギー…頑張って…』
『蓮ー!がんばれー!』
『蓮君!応援してるぞ!』
シエル、レオン、アイリスも蓮に声援を送った。それに気付いた蓮は手を振って答えた。
(分かってはいたが…やはり歓声が小さいな…)
『続いて2人目!あらゆる魔法を操る…
その様はまるでマエストロ!果たして彼女の指揮を掻い潜って攻撃を通せる者は現れるのかぁ!?魔奏の異名を持つSランク冒険者!カノン=カルテットォオォォ!』
長いストレートの銀髪に青い瞳のタキシード姿の女性が入場した。
ワー!ワー!
キャー!キャー!
『お!ここに来てSランク!』
『カノン様〜!こっち向いてぇ〜!』
『続いて3人目!異国の地!ヤマト国より参戦!強者を求めフロアレの門を叩きし侍!
フロアレの強者達に彼の刃は届くのかぁ!?
異国の剣豪!ジロウ=ブケヤシキィイイィイ!』
ワー!ワー!
キャー!キャー!
『うぉ!?侍!俺初めて見た!』
『すっげぇ…筋肉…』
『異国の戦士…一体どんな戦いをするんだ…?』
『続いてぇ!4人目ぇ!
レン=キサラギと共に異例の速度でCランクに昇格した男ォ!
砂浜で放った彼のサーブは流星の如しィイイィイ!持ち前のマッハで大会を駆け抜けることができるかぁ!?
ソウ=オトムラァァアァアァ!』
ワー…ワー…
『ふーん…さっきのCランクのお友達か…正直彼らには期待してないかな…』
『けど俺見たんだけどよ…あのサーブの火力はヤバかったぜ…』
蓮と同程度の規模の歓声が音村に向けられた。
『音村ー!ファイトだよ〜』
『ムーラがんばれ〜…』
『音村君!頑張れ!』
観客席の三人の歓声に音村が大きく手を振り返す。
『さぁ!!此処でビッグゲストの参戦だぜぇ〜!!覚悟の準備はいいかぁ〜オマエラァアァアァッ!
5人目は何とフロアレ王国に12人しか居ない!選ばれし特級魔導士が1人!その火力の前にありとあらゆる者がひれ伏された…彼女の火力はこの大会すらも破壊してしまうのかぁ〜〜????
特級魔導士序列三位の爆撃令嬢!
レオナ=クラークの参戦じゃあァアァアァ!』
ワーーーーッ!!!!
キャーーーーー!!!!!
レオナは入場し闘技場の中央に立ち右手人差し指を天に突き刺した。
ザワ…ザワ…
『何をするつもりだ…』
ヒュ〜…
ドッカッーーン!
レオナは指先から赤い熱弾を発射し闘技場の空中で大爆発を起こした。
『この大会をぶっ壊してやらぁ!!
見とけよてめぇらァアァアァ!』
ワーッ!ワッーーーー!
キャーーーーーー!!!!
『やったれ!ぶっ壊したれ!』
『彼女が今日一のゲストだね…間違いない…』
『やっぱあんた最高だぜ!!!』
『祭りと言ったら、っぱレオナ嬢よ!』
観客席はレオナの参戦で今日一の盛り上がり見せた。
『あ〜…流石姉さん…期待を裏切らないね…』
『…レオナ…相変わらず派手…』
『レオナー!頑張れー!』
レオナのパフォーマンスに観客席の三人も反応した。
『いいねぇ!いいねぇ!いいねぇ!
会場は彼女の熱に充てられ臨界点!
このままの熱が冷めないうちに6人目を紹介するぜ!特級魔導士序列五位の蒼炎の妖狐ことイズナの妹!エリート軍人!戦場で舞う様はまるで獲物を狩る猫が如しィイイィイ!
地母神の巫女アリシア様から性を賜りし姉妹の一人…リン=ラナトラレサァアァアァ!』
ワー!!ワーー!
キャー!キャー!
『おお!リン来たー!あの動きマジですごいだよな!』
『今回大物多すぎだろ!』
『いくぜ!いくぜ!いくぜぇ!
7人目行っちゃうぜぇ!!!7人目はこの男ォオォォ!
彼のディスティニードローを前にして湧かない会場など存在しなイッッ!!あらゆる魔法…あらゆるカード…あらゆる戦術…全てを合わせ戦う男ォオォォ!熱き決闘者!カードマスター!Sランク冒険者!!フォルス=ヴェーレンッンンッ!』
ワー!!ワー!!ワーーーー!!
キャーーーー!!!!
黒色の髪に白髪のメッシュが入った頭髪で赤い瞳を持つ、黒の服に赤と黒の外套を纏い、腰にデッキケースを携えた青年が入場してきた。
『カードマスターキタァー!!!!』
『あんたのデュエルを見るのが俺の生き甲斐なんだよォオォォ!』
『フゥー…皆んなの熱が今…臨界点なのは百も承知さ…でも此処で少しクールダウンだ…
なーぜーなーらァア!最後の選手をこのままの熱で言っち待ったらオーバーヒート起こしちまうからヨォオォオッ!
最強…この言葉はこの男にこそ相応しい…
天才…その言葉ではこの男を測れない…
神が何物この男に与えたのかは…神とこの男のみぞ知る…
本大会の筆頭優勝候補にして!圧倒的主役ゥウゥッ!特級魔導士序列一位ッ!!!奇跡の神童‼︎アレン=スリードォオォォ!!
此処に現れりィイイィイ!!!!』
ワ゛ァアァアァ!
ギャーーーーーー!!!!!!
ザワ…ザワ…
ウォオォォォオォォ!!!
『最強きたー!!!!!!』
『ヤベェ!!メンツ過去1ヤベェ!!』
『こりゃ8人なのも納得だわ…』
『誰がこの組み合わせ予想できたよ…』
会場は過去最高の盛り上がりを見せた。
『よし、よし
皆んなクールダウンだ…
トーナメント表を表示するぜ…
1日目Aブロック第一試合!
カノン=カルテットVSソウ=オトムラ!
1日目Aブロック第二試合!
ジロウ=ブケヤシキVSアレン=スリード!
2日目Bブロック第一試合!
リン=ラナトラレサVSレオナ=クラーク!
2日目Bブロック第二試合!
フォルス=ヴェーレンVSレン=キサラギ!
選手の状態を考慮し…
準決勝は二日目から1週間後
決勝、3位決定戦は準決勝終了から1週間後だ!
一回戦第一試合は今から2時間後に実施だ!
その間に出場選手は最終調整!観客の皆んなは熱中症対策に飲み物や塩分を準備してくれよなぁ!これにて、開会式を終了する!!
お前ら!2時間後また会おうぜ!
グッバイ!!』
『あー緊張したー…』
『蓮お疲れ様…』
『レオンありがとう…』
ゴク…ゴク…
控室に戻った蓮にレオンはお茶を差し入れた。
『音村君、試合が近い君に昼食として弁当とお茶を買ってきたぞ』
『おー!アイリスさんありがと!』
『互いに、一回戦からSランク冒険者とはな…厳選されてるから仕方なくはあるが…』
『まぁ!やるだけやるしかないっしょ!』
『音村の対戦相手のカレン氏は無属性の使い手だ…
結界と…魔力に直接干渉した魔力操作を繰り出してくるよ…
目視不可の結界の壁と攻撃をいなしつつ、攻撃を通すかが鍵になってくる…だけど彼女の魔力操作はそれを阻害する…彼女にダメージを負わせるのは至難の技だよ…』
『へぇ…そうなんだ…レオン君助言助かるぜ!』
『…何か算段はあるのか…?』
レオンの話を聞いた蓮は音村に問う。
『まぁ、見えない物の対処は経験があるから何とかなると思う!』
『ほう…そうか』
音村は昼食を終え、レオンからの対策のアドバイスと魔法のイメージトレーニングを行い2時間経過後、闘技場へと向かった。
『さぁ!本大会一発目の選手の入場だ!
見えぬ攻撃!見えぬ防壁!これらに加え敵の攻撃すらも彼女の武器!非接触勝利のパーフェクトゲームなるか〜!?
魔奏のSランク冒険者!カノン=カルテットの入場ダァア!』
ワー!ワー!
キャー!キャー!
『続いて彼女の対戦相手!
C級魔導士ではあるが…彼の火力は侮り難し!ジャアイアントキリングなるかぁ!?
超新星!ソウ=オトムラ!』
『実況は私サングラとぉ!?
魔法大会のベテラン解説者マホオタ氏の解説で進行させていただくぜ!』
『どうもよろしく』
眼鏡と黒いローブを身に付けた壮年の男性が解説席に座った。
ワー…ワー…
『…あら、貴方…お友達同様Cランクにしては結構やるって噂みたいじゃない?年長者としてアドバイスしておくわ…
今ならまだ棄権を認めてあげる…大勢の前で大恥かいてトラウマにならないうちにね…』
『ん?負けるのは別に恥とは思ってないよ、失うものが無いからね。
逆に負けられないのはお姉さんの方じゃ無いかな?結構キャリア積んでるみたいだし?
Cランクに負けてそのキャリアに傷が付かなかったらいいね!』
『……言わせておけば…
たまに居るのよね、少し才能があると付け上がる若者が…
そっちがその気なら容赦しないわ…トラウマと後悔を貴方に与えましょう…』
『両者!準備はいいかー!第82回大魔道大祭!Aブロック第一試合!開始ィイイィイ!』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます