第39話『そろそろ自立してくれないか?』





 第三十九話『そろそろ自立してくれないか?』





 異世界生活十七日目、早朝。マスタールーム。


 二日間の休暇だったはずが、五日間の休暇になっていた。

 レイディが俺を別荘に監禁して酷い事をしたからだ。


 施設本部に帰ろうとすると強烈なラッキースケベが発生して俺のペニスを幾度も挑発する、しかも絶対に下半身ハプニング、そして必ず極悪Tバックを履いて局部を絶妙なバランスで少しだけ見せると言う陰茎絶対殺すウーマンのレイディ……勝てん、勝てんよ僕ぁ。


 気付けば彼女が申請していた五日間の休暇は綺麗に消化されていた。


 恐ろしいものだね、アンドロイドの頭脳と言うものは……ウッ。



「ンポッ……沢山出たね、いい子いい子」

「ママぁぁぁっ!!」



 壮絶なラキスケ地獄から生還した後に味わうこの尺八ママのママみ……こういったプレイをお嬢に望む紳士が少なくないのも理解出来る。


 兵士には休む場所が、傷付いた体を癒す大きな母港が必要なのだな。



「よし、兵士の為に娼館を建てようママ」

「分かった、はい、娼館リスト」


「最高かよ、ベスト100って、そんなにあんの?」

「マスターが創った、日本中のお店に沢山かよったからって」


「スゲェよマスター、あんた偉人だよもう……」


「娼館は良いアイデア、エロパワーが沢山貯まる。今回の休暇でもかなり貯まった」


「そっか、みんな頑張ったんだなぁ。そう言えばママは何してたの?」


「司令とレイディのエッチを監視カメラで見てた」


「え」


「見てたら涙が出てきた、何でだろう……」


「マ、ママぁぁぁっ!!」



 僕はこの広く大きな母港でもう少し体を休める事にした。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 お昼になりました。


 そろそろ尺八港から出港しようと思うが、いかりが抜けなくて困っている。


 抜錨ばつびょうの意志を港に伝えるが、艦体の先端からオイル漏れが認められるので少し待てと言われたウッ、オイル漏れなら仕方が無いな。



「ンポッ……はい、綺麗になった、亀さんいい子いい子」

「あ、あ、あ、くすぐったい、やめてお、やめておー」


『失礼します、司令、ご昼食の準備が整いました』


『イク、イクお、もうイクおー』

『?? 畏まりました、お待ちしております』


「はい、また沢山出たね、いい子いい子」

「あふぅ……ママ、お昼御飯の時間だ」


「じゃぁお風呂入ろうね、もう湯は張ってある」

「うむっ……三分で上がるぞママっ!!」



 尺八ママに抱っこされて風呂へ突撃、三分入浴でリフレッシュ、風呂から上がってバンザーイ、ママに体を拭いてもらう。


 拭き終わったら軍服を一瞬で転送装備、軍人として何もしていない俺的にはこの機能が一番役立っている。


 軍帽の傾きを調整して完了。

 いつもの白いワンピースを着たママが横に立つ。

 大きなツバ広の白い帽子を目深に調整して完了。


 では尺八様、転移お願いしますっ!!


 あ、抱っこはしなくていいです。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 モグモグ、ゴクゴク、モグモグ、ゴックン、美味うましっ!!


 今日のランチは池田さん特製『池田ママの司令愛シチュー【私がママだ、間違えるな】ラヴジュース入り』だった。胸がドキドキしてソワソワしてしまうシチューとは斬新だ。


 テーブルの向かいに座るケイジィは普通のシチューだ、香りも普通だ、俺のは何かエッチな香りがする……



「どうした坊ちゃん、スゲェ汗だな……、それで、娼館だっけ、良いんじゃねぇか? 店の娼婦と男娼はどうする、うちの兵士使うって話じゃないんだろ?」


「貧民窟の奴らを雇う、数日は病気等の治療と疲弊した心身の回復だろうが」


「あぁ~貧民か、なるほど。まぁ俺達がその娼館を利用する機会は少ねぇだろうな、軍の仲間同士で付き合ってる奴が多いし。それで何処どこに建てる? 王国の動きは大丈夫かい?」


「尺八様と話し合ったんだが、第一階層に貧民を住ませる事にした、そこに娼館街を造る。今のところ城には何の動きも無い、動いた瞬間攻撃するように命じてある」



 あっ、そうだ、食料加工施設をそのまま娼館街として使う手も有るなぁ。



「城が動けば攻撃か、いいねぇ。しかしあの小せぇ迷路の一階に街? あぁ~、一階を改造して広げるのか、二十階層みたいに……どれくらいの広さになるんだい?」


「分からん、人の集まりとエロパワー次第だな、ダンジョンの拡張に制限は無いと聞いている」



 あ、そうだ、貧民が魔物狩って来たり薬草採取なんかして来たら買い取るのも良い。金銭の代わりは何にしようかな……



「へぇ~、大きな街になりそうだな、街長はどうする?」


「お前だな、職員はこちらで揃える、副長は自分で決めろ、御庭番任務は継続、分かったか?」


「坊ちゃん……そんなに俺を……っ、あぁ、任せなっ!!」



 両目を見開いたケイジィが体を震わせて何か言ってる。


 やる気が出たなら何でもいいです。

 一番ヒマそうなのはお前だったからな、頑張れ。



「司令、口元にシチューが、ペロリ、取れました」

「……そうか、ありがとう(困惑」



 隣に座るレイディがシチューを舐め取った、は?


 え、何で?

 ナプキンが目の前に在るのに……



「はい、いい子いい子、あ~ん」

「あ~ん、モグモグ、うむ、美味しっ!!」


「……チッ」



 レイディが舌打ち……!?

 どうしたんだ今日のレイディは……

 子供達が別荘にお泊り会で居ないから寂しいのか?



「お言葉ですが司令、尺八様の上に座って食べるのはお行儀が悪いかと」


「なるほど、それでか……まったく、レイディは解ってないな」

「……何がでしょう?」


「コレは司令長官たる私が率先して常時エロパワーを生産する為に考えた食事法だ」


「……なるほど、ならば私もお手伝いします、ケイジィ少尉は退室なさい、早くっ!!」


「ッッ!! ハッ、失礼いたしますっ!! ガタッ」



 ケイジィ少尉は見事な敬礼をして退室、食事が乗ったトレーも忘れずに持って行く点は見る者に好印象を与える。



「では司令、お食事の続きをどうぞ。よいしょ、はい、ンポッ……」


「ンほぉぉぉ」


「よしよし、しーしー出るねぇ、じゃぁ水分補給かな、お飲み物飲もっか、はい、ちゅーちゅーね」


「ングッ!? ちゅぱちゅぱ、ママぁぁぁっ!!」



 まったく、世話の焼ける奴らだ……

 俺が居ないと食事一つ静かに出来んとはウッ……ふぅ。









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