第38話『ったく、ガキ扱いは困るんだが?』





 第三十八話『ったく、ガキ扱いは困るんだが?』





 異世界生活……十一日目に入った。


 気付いたら日をまたいで尺八ママとセクロスしていた。


 恐るべきは強化されたママのテクニックか、それとも粒子漬けスライモ粉末によってカスタマイズされた『しっとりスベスベ司令専用ムレムレ機能付きお肌』か、はたまたミミズ三十万匹かと思わせる驚愕の蜜壺か……


 スペースファンタジー科学に詳しくない私に答えは出ない……



「司令はいい子いい子、ねんねしましょうね」

「僕ねんねしゅりゅ……」



 尺八ママの柔らかボディベッドで横になり、男の夢が詰まった爆乳マクラに頭をうずめて眠りに就く。


 今夜は良い夢が見られそうだぜ。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 明朝、ママに包まれて起きる、素晴らしい起床だ。

 尺八ママは寝る必要が無いので一晩中俺を撫でていた模様。


 お早うと挨拶を交わし、小さな流し台に向かいコップに水を注ぎ口をすすぐ。


 虫歯菌や雑菌に縁が無くなった身だが、朝の漱ぎは日課だ。

 後で歯ブラシと歯磨き粉を池田さんに支給してもらおう。


 真っ裸の俺を尺八ママが持ち上げてお風呂へ。準備が良いね。


 お風呂は巨体のママが余裕を持って入れる大きさ、ナイスマスター。


 俺は尺八ママの膝の上で全身を洗われた。


 その後、何故か敷かれてあるスケベマットの上に寝かせられる。


 私は全身が性凶器と化したママに性的マッサージを施されたのです。


 余りの快楽に意識が遠くなる、しゅごしゅぎぃぃぃ……


 お風呂から上がるとお着替えタイム。

 全部ママがやってくれるので楽チン。


 身嗜みだしなみを整え二人で製錬施設の広場へ転移。


 朝のレディオ体操に集まった皆に挨拶。

 レイディが頬を膨らませて隣に来た。

 可愛いので頬を突いて『ぷひゅぅ』と空気を出す。



「んもぅ、司令長官が無断で朝帰りとは、これでは皆に示しが――」


「尺八様が最下層を広げて別荘を建ててくれるそうだ」


「……そうですか、それが、何でしょう?」

「山に囲まれた別荘の前には湖を用意するらしい」


「……ふむ、なるほど、続けて下さい(真顔」


「明日から二日、全軍に休暇を取らせる、君は何か予定が有るかね?」


「有りません、明日から二日間は何の予定も有りません、何なら一週間は有りません」


「そ、そうか、どうだね、今晩から二人でその別そ――」


「しょうがないですね、上官の命令には逆らえません、参りましょう」


「じゃぁ、その予定で……」

「仕事を全て終わらせてきます、失礼」



 何か『出来る女社長』みたいな顔になったレイディは走り去って行った。



「尺八様、夜までに別荘と湖……創れそう?」

「出来る、司令がそばに居てくれるなら早く済む」


「それは、どう言う理屈で? 気持ち的なもの?」

「コアに注がれる司令のエロパワーがスゴイから」


「エロパワー……って何?」


「普通のコアはダンジョン外生物の生命エネルギーを吸って力を蓄える、でも、前のマスターはエロスに可能性を見出みいだしコアを改造した」


「馬鹿なの?」

「うん、少し馬鹿だった」



 まぁ、今のダンジョンはお客様ハンターお断りだからな、俺の兵から生命力を吸われるよりマシか?



「じゃぁ、軍全体でエッチな事すれば良い?」

「それは名案、司令はいい子、よしよし」


「えへへ」



 この件はレイディに通達してもらうか。



『もしもーし、こちら司令、レイディ、仕事だ』

『ハッ、何でしょう?』


『かくかくしかじか、我が大ニッポンヌ帝国は積極的かつ愛に満ちた性欲全開のセクシャリティを推奨する、本日の作業は中止、集中してエロにはげむべし。全軍に通達せよ』


『……なるほど、畏まりました』

『レイディ、今夜からセクロス祭りだ、覚悟しておけ』


『ッッ!! はいっ!!』



 しかし、キッズに我が軍の斬新かつ前衛的な思想を理解するには時期尚早、彼らには前マスターが描いた『ロミ夫とジュリエッロ』でピュアな恋愛から学んでもらおう。



「では尺八ママ、参ろうか」

「うん」



 私達は再びマスタールームに転移した。



「ママぁぁぁー!!」

「甘えん坊」



 これはエロパワーを集める為の偽装……

 甘えん坊を装っているのだ。


 本当なのだ。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ふぅ、良い汗かいた。

 ママの膝に座って爆乳ヘッドギア装備、休憩だ。



「司令、スゴイね、半日でエロパワーがこんなに貯まった」


「フフフ、我が軍全体でエロい事してるからな、もありなん」


「これなら大丈夫、別荘建てる?」

「ヨロシクゥ」


「分かった、このリストから選んで。その間私は最下層を拡張する」


「どれどれ、ほほう、色んな種類が有るな……」



 ママに手渡された別荘パンフレットを拝見。


 さて、どれにしようかなぁ……

 洋館も良いが、旅館風のコレも捨てがたい……

 あ、フロアごとに別のヤツ建てていくか。


 じゃぁ最初はやっぱり……旅館風のヤツかな。


 燃料精製施設を置いたフロアは洋館で……

 食料加工施設のフロアはこのログハウス、いいねぇ。

 まぁどっちでもいいけどね、その時になったら決めよう。



「拡張終わり、司令は決まった?」

「この旅館風のやつ」


「分かった……はい、出来た。じゃぁ湖を創るね」

「早っ、俺も見たい」


「監視モニター画面を出す、はい」

「お、ホログラム? スゲェなコレ」



 宙に浮いた半透明の画面には山に囲まれた見事な旅館が映っていた。遠くにメタル製錬施設の本部ビルが見える。


 おおぅ、旅館の前に大きな湖が出現。

 船着き場とボートもセットだ、やるねぇ尺八ママ。



「よし、そんじゃぁ旅館に行ってみようか」

「分かった、おいで」



 両腕を広げる尺八ママ。

 オイオイ、まったく、ガキじゃぁあるまいし。


 子供扱いはやめてもらっていいかな?



「尺八ママぁぁぁーっ!! 抱っこぉぉっ!!」

「よしよし、いい子いい子」



 ヤレヤレ、偽装も疲れるぜっ!!


 あ、ダメダメ、ママそこは――



「ンポッ」

「しゅごいぃぃぃ……」









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る