第37話『僕がママを護るかんなーっ!!』





第三十七話『僕がママを護るかんなーっ!!』





 尺八様に朝の尺八をされた異世界十日目のお昼。


 今朝回した最後の無料ガチャで出たアイテムと、これまた今日で最後なログボのアイテムが同じ回復キットだった事について長考すること五時間……


 結論としてはさ晴らしにケイジィのケツを蹴る事で精神の安定を保つ事にした。


 三回蹴ったが気分は晴れなかった、おかしいな、ケイジィのケツでは駄目なのだろうか?


 追加で二回蹴っても心は晴れない。少し顔を赤らめたケイジィが「坊ちゃん、いいぜ?」と訳の分からん事を言ったので更に五回蹴ったが気分は最悪だ。ケイジィが満足気だったのがしゃくさわる。


 そんな俺を慰めるレイディのビーチクボタンを軍服の上から突いたら心が晴れた、これは学会に提出すべき新発見だ。


 俺は『ビーチクボタンの可能性』を題材にしたレポートを二百文字ほどで書き上げ、執筆中俺の背後に居たレイディに『シュバッ』と、振り返らずに格好良く『シュバッ』と右手の人差し指と中指でレポート挟んで渡した。


 阿吽の呼吸で静かにレポートを受け取ったレイディは、レポートを読むどころかライターで火を付けて大きなガラスの灰皿に捨てた。


 傷ついた俺は尺八様を召喚してその大きな胸に飛び込んだらいつの間にか尺八されていた。


 レイディが早速尺八様を強化してくれたようで、オパーイの弾力性向上もる事ながら、尺八様の舌技が七倍くらい凄くなっていた。


 アヘアヘする俺に後ろから急襲するレイディ、私は司令長官の身でありながら前後の凹凸を責められ、まさに前後不覚となったのであります。


 気付けば尺八様にオンブされた状態で施設本部の廊下を食堂方面へ進んでいた。


 私は彼女の母性溢れる献身と、彼女が繰り出した『四十八の尺八技』の可能性についてレポートを書く決意を胸に秘めつつ食堂へ続く廊下を見つめた。



 そして今、私は尺八様の膝の上に座って食事を摂っている。


 頭が爆乳に挟まって安定感が素晴らしい。

 ケイジィが羨ましそうに見ている、バカめ。


 甘えん坊のカーリがベルデの膝に座って俺の真似を始めた。

 だが、ネイは甘えるのを我慢して俺の隣で静かに食事中……


 これはイケナイ、俺はネイを横から抱き上げて膝の上に乗せた。



「あっ、お父さん……何か当たってる、ンもぅ、えっち」



 馬鹿なっ、尺八様の爆乳ヘッドロックが勃起を誘発していただとっ!!


 慌てる俺を余所よそに、ネイが座る位置の調整に入った。


 ウソやろ……


 コレはマズい、さっきまでレイディと尺八様に甚振いたぶられ負傷した軟弱ペニスではネイの前後運動にえ切れないっ!!


 こらしょうの無い息子を甘やかしてきたツケが回って来たかっ!!


 せめて五分は堪えるように教育しておくべきだった!!


 あ……



「はわわわ、何だろう、お尻が温かい……?」

「保温剤、保温剤だよ、おしり保温剤、いいね?」

「?? うん、わかった、温かくて好き、えへへ」



 ネイのけがれ無き笑顔がキツイ。

 デザートのアイスクリームをネイにあげた。

 尺八様に頭を『いい子いい子』された。よせよ、照れるぜ。


 今日のデザートは香り立つマロンケーキのブッカケホイップ仕立て、食欲が湧かなかった。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 昼食後の休憩も終わり、各員が午後の作業へく。


 俺は下半身を尺八様にキレイキレイしてもらい下着の交換、基地妖精の池田さんに汚れたボクサーパンツをレイディ経由で渡して洗濯をお願いした。


 すると、汚れたボクサーパンツを池田さんが没収、替えの下着が手紙と共に送られて来た。


 手紙には『汚れは気にせず私に任せて』と書かれてあった。


 何を任せるのだろうか、洗濯だと信じたいが、あのパンツは二度と戻って来ない……そんな悲観的予感が脳裏をよぎり、私を悩ませるのです。



 頭を振って思考をリセット、真新しい下着に履き替えて股間爽快、悲しい昼食を忘れて午後の作業へ向かう。


 作業と言っても、俺がやる事などほとんど無い。


 今日の午後は尺八様と共にダンジョンのマスタールームでお仕事。


 マスタールームは尺八様とダンジョン保護者たる俺だけが入れる、レイディは副指令として指令室でお留守番。


 尺八様に抱っこされて一緒に転移。

 ンアッーーという間にマスタールームへ。


 尺八様に下ろしてもらって室内を見渡す。

 ふむふむ、これは……



「ワンルームマンションかな?」

「そう」



 ンポッしか言えなかった尺八様が低い声で喋った……

 ナイスな強化を施したレイディに感謝と称賛を贈る。



「尺八様のマスターはひょっとして日本人だった?」

「違う、日本に住んでたアメリカ人、黒人の偉丈夫」


「あ、そっち系か、部屋は日本風だけど日本人とは限らんよな」



 木製床材が敷かれた床にたたみ炬燵こたつ、和式への強いこだわりがうかがえる。


 壁際の本棚には……自作の漫画だろうか、手に取って少し見てみる……


 絵柄がキツイ、内容が頭に入って来ない。

 パクリが酷い、北斗の剣ってアンタ……

 そっと漫画を本棚に戻す。


 再び部屋の観察、一番目立っていた物に近付く。


 炬燵の上に置いてあるデカイ水色の水晶は……

 所謂いわゆるダンジョンコアってヤツだろうか?



「尺八様、コレは?」

「ダンジョンコア」


「そっか、触っても良い?」

「マスター権限が無いと死ぬ、駄目」


「ほほう、そう言う仕組みか、簡単に奪い取れないな、安心……ところで、これは聞いておきたいんだけど、ゴメンね、前マスターは……何で死んだの? 病死? それとも誰かに殺された? 仇討ちなら手伝うよ?」


「ダンジョンマスターは病気にならない、歳もとらない不老、転移でしか来られないこの部屋に居れば敵に襲われる事も無い。そしてマスターは引き籠りだった」


「あ、そうなんだ……じゃぁ死因は?」


「自殺」


「なっ……そりゃまた、どうして……」


「そのコアで創造召喚出来るのはオートマタだけ、しかしオートマタはセクロス出来ない」


「……?? で?」


「私の大きな体では勃起しないマスターは毎日オナニー三昧ざんまい、そんな日々を送っていた五年前、マスターの心頭滅却オナニーに限界が来た」


「心頭滅却出来てないんだよなぁ……それで?」


「マスターは勇気を振り絞りこの部屋を出て第一階層へ転移、そこに居た小柄なハンター少女を食事に誘った」


「お、おう、何だろう、応援したい、頑張れ、頑張れマスター」


「少女はマスターに言った、『何か酸っぱい臭いがするよアンタ』と」


「おぅふ……そ、それで?」


「絶望したマスターは瞬時に転移で戻り、私にマスター権限を譲渡して滅びた。権限を失えばダンジョンマスターとして過ごした時間がその身へ一気に襲って来る、百五十年と言う時間は只の人間に耐えられない……」


「……そっか、何て言えば良いのやら、取り敢えずそのクソガキ見つけたら殺そうぜ? 五年前なら何処どこかで生きてるかもだし?」


「どうでも良い、出会えば殺すかもしれない。そんな事より……」


「何だ?」


「司令は強化人間、マスターと同じ不老……どうか私を置いて滅びないで」


「ッッ!! ハハハッ、安心しろ尺八様、俺はアホだから心が折れて死を望む事は無い、俺を殺せる奴も居ない、分かった?」


「うん、分かった」



 尺八様はほんの少し微笑んだ。

 そして服を脱ぎ始めた、何で?



「セクロス出来る体になった、来て?」

「しゃ、しゃ、尺八ママぁぁぁーーっ!!」



 両腕を広げて優しく微笑む全裸の尺八ママ……


 私は身に付けた装備を全解除してママの胸に飛び込んだ。


 午後の作業は少し遅れそうだ。



「ンポッ」

「ママしゅごいぃぃぃ……」







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