第32話『ミルフスキー博士を私は信じる……』





 第三十二話『ミルフスキー博士を私は信じる……』





 異世界生活六日目、本日のログインボーナスは資源3セット、メタル・食料・燃料が1,000補給出来る。序盤はかなり役立つアイテムだ。


 現在のタンク貯蔵量は七千まで増えてる、これはタンクレベル2の貯蔵量だな。


 資源生産の量も速さもまだまだなので、もうしばらくの間はタンクが満杯になる事は無い。資源3セットを使っても今のタンクが溢れる事も無い……


 ……無いがっ、私はこの補給アイテムを使わないで取っておく派だ、持っておくと心が落ち着くんです。


 時短アイテムとか結局使わないまま倉庫に貯まっていく派です。


 しかもその貯まり具合を見て安心を覚える派です。

 えぇえぇ、私は小さい男ですよっ!!


 そんな小さい男は必ず一日一回の無料ガチャを回します、回さないと大金を失ったような気分になるのです。


 なので気合入れて回します、そ~れガチャっとなっ!!


 無料ガチャは低レアしか出ませんがキャラとアイテムの両方出ます、チョイスの幅が広いので欲しい物は中々出て来ません。


 今日の無料ガチャも寂しい灰色の演出です。星1確定です。

 あ……ネオナンブ拳銃でした舐めやがってクソがっ!!


 年間三百丁超えそうな確率で出てるじゃないかっ!!

 レイディの自動ガチャでもクソほど出てんだよボケーっ!!


 おっとイケナイ、紳士な司令長官がとる態度ではなかったな。

 多少の失態は目を瞑ってくれたまえレイディ。


 頑強な朝勃起をしずめてくれているレイディの頭を撫でる。


 しかし、今朝も鋭い勃起だったな……

 最近は朝勃起に勢いが有りすぎる……


 これもmilfスキー粒子細胞の影響ウッだろうか?



「ゴックン、凄い量ですね……あっ」


「一度で鎮まるほどヤワではないのだよ、朝勃起を舐めないで頂きたい……後ろを向きなさい」


「……はい、どうぞ、しかし時間が――」

「俺の名を言ってみろ」


「……早漏」

「そうだ」



 名はチンを表す、早漏司令の速射をとくと味わえっ!!




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




 ふぅ、良い汗かいた。無論、レディオ体操の話だ。

 朝の気だるさを吹き飛ばすにはレディオ体操に限るなっ!!


 そうそう、起きて最初の報告は昨日サラ30が王都方面へ撃ったロケット弾の事だった。王都第三城壁南側の城門を一つ吹き飛ばしたらしい。


 良い仕事しますねぇ彼女。


 それに長距離バズーカの射程が思ったより長い事が分かった。


 少なくとも王都からダンジョンまでの24kmは有効射程範囲だ、宇宙戦での射程距離は測定不能となっているが、地上戦で歩兵が持ち運び出来る兵器としてはかなり優秀だろう。


 地球で使用されている無反動砲等の最大射程距離の何倍あるんだって話だな、物によっては射程距離が四十倍を超える、スゲェな……



「お父さん、出発だよ」

「おとうしゃん、だっこ」


「はいはい」



 カーリを持ち上げて抱っこ、ネイの頭をポンポンと叩いてバギーへの乗車を促す。二人は今日もレイディが運転するバギーに乗せます。


 俺は勿論愛機ナイスにまたがる、今日から第十六階層攻略だ。


 最下層の二十階までは鉱山フロアが続く、一つの階層に数カ所在る鉱山を採掘すれば無限に鉱物が採れる、控えめに言ってボーナスステージだな。


 食用大ガエルの乱獲より簡単で換金効率は抜群、不満の表しようが無い。敵も鉱物ゴーレムだ、弱点の核を割れば体が丸ごと資源として手に入る。


 改めて思うね、城の奴らはアホ、異民族はその何倍も利口。


 ダンジョン一つで大都市の必要資源をまかなえそうだ、そんなダンジョンが三つも四つも在れば国力が大幅に上がるだろうな……


 何せ土地が要らん、産業を興す土地が必要無い、出入り口の幅だけ有れば良い。お得すぎる仕様だ。


 地上は地上で土地を有効活用出来る、考えれば考えるほどダンジョンの有用性が解るなっ!!


 さぁ、俺達は歴史に学んでダンジョンを完全掌握するとしよう。


 周囲を見渡し出発準備完了を確認。

 先発隊は既に出発しているな、良し、行こうか。



「レイディ」

「ハッ、出発っ!!」



 う~ん壮観だ、レイディがガチャを回し続けているので当たり前だが、昨日より兵士の数が増えてる、アタックバギーも五台増えたな、早速鉱物資源が役に立ったか。


 よしよし、順調っ!!


 ……いや待って欲しい、オイそこのバギー、ちょ待てって、変態二人が後部座席に座ってるバギーっ、止まれっ、臨検だっ!!


 ドアを開けて全員出ろ、後部トランクも開けろ……

 マルデビッチ、股も胸元も開けなくていい……


 ……うむ、子供は乗っていないな、ふぅ……行って良しっ!!



 変態の護衛に就いた幼い容姿の男アンドロイド達は大人だ、大丈夫、問題無い……


 少年のような体に半ズボンだったが立派な護衛、問題無い……


 少し絵面に犯罪臭がするがセーフだ、問題無い……


 問題無いが、部隊編成を見直す必要が有る……気がする。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




「もっと、もっと踏み込んで来いっ、アッー、良いぞ、良い、もっと深く、もっと奥に届くようにっ、アッー、ふぅ、お前は長剣の才能が有るぞハッチャク」


「はぁはぁ、あざっす……」


「さぁもう一度だっ、今度は後ろから攻めて来いっ、そうだっ、アッー、良い、良いぞっ、アッー」



 十六階層の下り階段前広場でお昼の休憩。


 食事の前にハッチャクがショタニアスに剣術指導を切願せつがん

 ショタニアスは二つ返事で了承、今に至る。


 ただの剣術指導なのに耳を塞ぎたくなるのは何故だろうか……?


 溜息を吐きつつ、もう一方の変態に目を向ける。

 どうやらマルデビッチの方は挨拶回りをしている様だが……



「なるほど、魔王陛下に、ふむふむ、そうだったのですねぇ、キャッ、転んじゃったテヘッ、ヤダ私ったらハシタナイ格好、今日に限っておパンツ履いていないのに、お股をこんなに広げて……」



 挨拶回りと見せかけて童顔童体アンドロイドの捜索……

 対象を見つけたら軽く自己紹介後にラッキースケベ発動……


 スケベ発動後、対象の股間を注視、反応すれば後は……言わずもがな。


 勝てんな、あの女に童貞は勝てんよ……

 目の前で美人がパーフェクトなM字開脚、童貞には荷が重い。


 あの童顔兵は数日内に喰われる、間違いない。

 まぁオフの日なら何をやっても構わんが……


 だが、教導員によるそれは慰安任務に入るのではないだろうか?


 簡単にヤメロとは言えんな、様子を見る必要が有る。


 はぁ~、まったく、ケイジィの言うとおりだ。


 見たままの行動で二人を評し判断すると、活かせる場所と範囲が限りなくせばまる。使い辛い。


 その上、スキルの支援効果が目に見えない、支援を受けた本人以外は効果が判り辛い。違いが判る奴には判るが、少数派だろうな。


 う~んどうしようか、二人の有用性は解ってる、驚くほどもろい理性と軽すぎる倫理は拘束具が抑えてくれる……


 護衛と侍女も多めに付けた上でキッズを預けてみるか……


 成長促進系のスキルは使わんと勿体無い……

 よし、拘束具を信じて預けよう。


 しかし監視は今の三倍にします。



「ところでレイディ、拘束具の開発は誰が?」

「ミルフスキー博士です」



 開発者はミルフスキー博士か……

 拘束具の信用度が爆上がりだなっ!!







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