第31話『注意事項が次から次へと湧いて来る』





 第三十一話『注意事項が次から次へと湧いて来る』





 頭のオカシイ捕虜二人に軽い頭痛を覚えつつ、マルデビッチの股間に反応してしまうヤワなペニスを叱咤し質問を続ける。



「お前らが性犯罪で罰を受け追放されたのは理解した」


「性犯罪など身に覚えはないが……?」

「どこの情報でしょうか、困りますねぇ……」


「……二つ目の質問だ、お前らがケイジィを差別しないのは何故だ?」



 俺はこれが知りたい、差別度合いは差別する側に対象への好悪など様々な要素が絡むだろうが、この二人はそう言った問題ではないように思える。


 二人はテントに入る前から敵対信号が出ていない、貧民窟の子供達を見ても表情一つ変えなかった、マルデビッチに至っては子供達を見て優しく微笑んでいたほどだ。


 その理由が知りたい。


 俺の質問を聞いた二人は顔を見合わせて首を傾げる。

 質問の意味が解らなかったのだろうか?



「お前達は無能の貧民に思うところは無いのか? 目障りだとか消えて欲しいだとか近付きたくないだとか……」


「いいや、別に?」

「多少ニオイは気になりますね」


「精霊紋の無い無能に対してお前たちなりの考えが有るのか?」


「無能無能と失礼だな魔王」

「少し、失望を覚えます、グスン」


「いや、俺は何とも思っていない、俺も紋無しだからな。呼び方が解らんから『無能』と呼んでいるだけだ、他にマシなものが有ればそれを使っている。で、どうなんだ?」


「紋無しに対する考えか……まぁ『無能』ではないな、少なくともハンターに無能は居ない。腕一本動けば戦える、脚が無くても地面を這ってスライモを狩れる、四肢を失っても後輩達に口頭で注意喚起出来る、俺は無能など見た事が無い。無論、愚かな者も居るがな……」


「そうですね、私も無能など見た事が御座いません。そこに居るケイジィは小さい頃から見ていますが、言葉通り体一つで中堅まで上り詰めました、無能であろうはずがない、むしろセクロスに関しての才能はずば抜けており、よわい十二にしてその長く太いペニスで私を貫いた時に感じた衝撃はまさしく英雄のそれだと当時の私は――」


「あ、もう良い、分かった……有り難う、尋問は終わりだ」



 全裸ハゲより半裸ビッチの方がヤベェな……


 ケイジィの過去を語りつつ同時に俺へさり気ない『マン見せ』……コイツはプロだ、俺に勃起を誘発させたのはお前が二人目だぜマルデビッチ……無論、一人目はレイディだ、アイツの勃起挑発は度を超えている、今夜はお仕置きすると決めているんだ(キリッ



「して魔王よ、俺達はどうなる、打ち首か? 殺す前にヤらないか?」

「それは名案ですね、死をたまわる前にお情けを頂きたく存じます……」


「……ケイジィ、どうすればいい? 俺的には解放して構わんと思っているが……お前の意見も聞きたい」


「俺ぁ……二人を、二人を坊ちゃんの国に連れて行ってやりたい……」


「ほほぅ、それは何故だ?」


「恐らく、この二人は坊ちゃんの国なら今よりもっと能力を活かせる、この国じゃぁ二人のスキルが腐っちまう」



 二人のスキル?

 そう言えば聞いてなかったな……



「よせよケイジィ、持ち上げられるとイッちまいそうだぜ」


「魔王陛下の前で堂々と意見を……ウフフ、(股間が)立派になったわねケイジィ」


「……ケイジィ、二人のスキルとは何だ?」

「他人のスキルを言うのは御法度だが、ここは勘弁してくれ二人とも」


「構わんぜ」

「ええ、お伝えして差し上げて」


「ありがとよ。じゃあ言うぜ坊ちゃん、二人のスキル……ダンマスは【穴掘り】と【青少年スコッパー】で、ビッチ姐さんは【ヌメヌメ汁】と【少年育成ストッパー】だ」


「……詳しく」


「ダンマスの【穴掘り】は何処にでも穴を掘れるスキルで、穴の大きさはダンマスの興奮度で変わる。【青少年スコッパー】は有能な青少年を発掘する人材登用系のスキルだが、ダンマスは違う意味で使う。どちらも支援系なので軽く見られてるんだ」


「そ、そうか。ビッチの方は?」


「姐さんの【ヌメヌメ汁】は卑猥な香りが漂うヌメッとする汁を撒き散らすスキル、ゴキブリンの様な下半身に正直な魔物がすぐに寄って来てヌメヌメになる、しかも性別問わず近くに居る奴にブチ込む。【少年育成・ボディストッパー】は、育成対象の肉体的成長が十四歳で止まる、精神や技を鍛えたい時に役立つんだが……姐さんはスキルを解除するのを泣いて嫌がるんだよ。姐さんも支援系だから舐められてる」


「なるほど……」



 舐められたり軽く見られたりするのは自業自得だと思います。

 これ絶対スキルの問題じゃなくて性的嗜好の問題だよな?


 しかしまぁ有用だな。

 ガキの人材登用と育成、普通に優秀なスキルだろ。


 ふむ……



「レイディ、二人の隷属スキルは解除出来そうか?」

「milfスキー粒子を投入して細胞を作れば即座に」


「そっか……なら決まりだな」

「坊ちゃん、それじゃぁ……」


「ああ、二人が望めば軍に入れる、ガキの育成が仕事だ。一応保険として両名の物騒な股間に拘束具を付けるが……お前らはどうする?」


「ほほぅ、俺を魔王軍に?(勃っ」

「そ、それは素敵な御誘いですわねっ(ジュン」



 両者の目が『クワッ』ってなった、気色悪……



「して魔王よ、ハァハァ、その拘束具とは……ゴクリ、締め付けるのか? 俺のデリケートなアレをキツく締め付けるのかっ!?(ウッ」


「ハァハァ、てててて貞操帯のような物でしょうかっ、私の自由を魔王陛下が奪うと言う事でしょうかっ!? 認めぬと、俺以外に股を開く事を認めぬぞ女郎めがっと言う事で御座いますかっ(ビクンビクン」



 何か急に元気になったな……

 早く答えて欲しいんだけど……



「はぁぁ~、で、どうすると聞いたんだが?」


「決まっている、魔王に忠誠を捧げよう……ウッ!!」

「私は肉便所となってお仕えする所存でンァ……!!」


「そうかい……宜しくな」



 さて、こいつら専用の変態テントを用意しよう。隔離だ。


 変態テントにキッズは立ち入り禁止、夜間外出禁止、三分ごとに巡回兵の見回り、必ず隣に警備兵のテントを設置、他には……










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る