第4話 恋時雨
日下部が不登校になり1週間が過ぎた。
友人曰く日下部は自身のインスタグラムやLINEまで削除していたそうだ。
家庭科の時間、ミシンを使い縫い物をしていると隣の女子が言った。
「凜音って日下部のことどう思う?」
僕は言った。
「そこまで仲良かったわけではないけど急過ぎてびっくりしてるくらいだよ〜」
一瞬その女子の口角が上がった気がした。
気のせいかな?
そう思っているとその女子は仲のいいグループの所へと行ってしまった。
少しの違和感を覚えながらも僕は作業へと戻った。
休み時間になりいつものようにトイレで
男子複数名と他愛のない会話をしていると
田代という人とその友達の会話が耳に入った。
「俺の質問箱にまたきたぜ」
「え〜またかよ」
「どうせ日下部に恨みのあるやつだろ〜」
質問箱とはインスタグラムなどのプロフィールで匿名のまま質問を送ることの出来るツールの1つである。
そして耳を疑う言葉が聞こえた。
「田代の質問箱の情報流せば話のネタには困らないもんな」
「そうなんだよな〜日下部には悪いけど書かれてることはおもしろいもん」
日下部が不登校となる親の事情について噂を流したのはこの田代だと言うことはわかった。
しかしわざわざ匿名でこの人に情報を提供したのは誰かのか?
そこが1つ気がかりだった。
次の授業が始まる前に僕は有花と話したくなりいつも通り話しかけに言った。
「有花〜次の時間だるくね?」
そう僕が話しかけると
「わかるー国語とかやるきでないもんね」
そう有花が返す。
だか今日の有花は目を泳がせていてどこか避けられるような対応であった。
男子中学生というのは単純だ。
うわ終わった。嫌われたのかな〜俺、何しちゃったんだ。
僕は明日死ぬのかと思うくらい落ち込んだ。
あとで友達に聞いて何か教えて貰うしかないのか〜。
そんなことを考えているうちに僕の心は静かに濡れていった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
謎解きの声
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いや〜どうして日下部くんは急に情報を流されて不登校になってしまったんでしょうか。
自分に不利益な情報が出回るだけで人間不信になってしまうものなのでしょうかね〜
初めの被害者の新田さんも含め
「不登校になった。」
その事実が広まったあとは情報が止まってしまっています。
犯人は案外常にターゲットを見ているのかも知れませんね。
有花に素っ気ない態度をとられた凜音も最後は友達から情報を得ようとしていますね〜
変なウワサを刷り込まれないといいんですが
さてさて!面白くなってまいりました!
ここからどんな暗闇に飛び込んでいくのか楽しみな物ですね〜
ウワサ事変 藤近有鈴 @reonsound
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