第1話 ろくでなし
朝を知らせるアラームが鳴り響く。
「もう、朝か」
僕は朝が苦手だ。
『寝ている時ほど幸せな時間はない』
そう思いつつベットから出てカーテンを開ける。
「曇りかよ」
曇天の空が眩い太陽の光を通さない。
「7:00過ぎてるよ!早くご飯食べなさい!」
リビングから母の声がする。
「今行く〜!」
こんな何も無い朝が僕の日課だ。
朝食を摂ると僕は学校へと向かった。
僕の家から学校までは徒歩15分とあまり距離は無い。
毎朝、家の前の交差点で友達2人と待ち合わせをしてそこから一緒に登校している。
交差点で信号を待っていると
「おはよ〜」
そんな声に振り返るといつもの2人がいた。
船橋と黒岩という幼稚園からの幼馴染だ。
「お前寝癖酷くね?笑」
船橋が黒岩の寝癖を指さしたがら言う
「今日寝坊したんだよ」
黒岩が眠そうな声で答えた。
「しっかり寝とけよ〜」
僕は黒岩に向けてそう告げた。
そんな他愛のない会話をしていると
「なぁなぁ、隣の学校の『 新田晴美』ってわかるか?」と船橋が聞いてきた
その名前に僕は聞き覚えがあった。
僕はなんだろうと思い会話を聞き流しているととんでもないことが聞こえてきた。
「その新田ってやつビッチって噂が広まって精神おかしくなったからいま不登校になったらしいぜ。」
船橋がそんな爆弾発言をしたとき僕の頭の中に引っかかるところがあった。
僕の知ってる新田晴美はそんな人じゃない。
いつも笑顔で何事にも一生懸命な人だ。
ましてや、男遊びなんかに溺れる人では無い。
「それ誰からの情報だ?」
僕は聞き返す。
「確か3組の日下部から聞いた気がするな〜」
船橋は言った。
日下部か、たしかあいつは他校との関わりも人に比べて多かった記憶がある。
そんな会話をしているうちに校門の目の前にまで来ていた。
━━━━━昼休み━━━━━━━
あるクラスメイトから声がかかった。
「なぁ凜音ってタバコとか酒やってるんだろ?
あと人殺したってまじ?」
といきなり聞かれた。
「やってるわけないだろ笑」
僕はそう返した。
タバコや酒ならまだしも殺人となると明らかに違うことは明白だろう。
なのにこんなに真剣な顔で質問されると対応に困るものだ。
クラスメイトは続ける
「前、誰かが凜音はタバコとか酒やったり人殺してるって言ってたからさ。」
そう半笑いで答えた。
「んなことしてたらとっくにバレてるわっ!」
僕はそう返した。
「なーんだ、ただの噂か〜よかったよかった〜」
クラスメイトはそう言い終えると教室を去っていった。
その日の僕はこの会話が後に自分を犯す毒となることを知る由もなかった。
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謎解きの声
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さてさて、どうしてこのクラスメイトは真剣に凜音が「酒」、「タバコ」、「殺人」を行ったか聞いてきたのでしょうか?
このクラスメイトは凜音にとって特に深い関わりもないクラスメイトです。
そんな人がこんな少し考えたら嘘だとわかる
ウワサをここまでまじめに捉えていたのか?
誰かが仕組んで意図的に流したウワサなのでしょうか?
これからどんな風に凜音が堕ちていくのか
気になりますね〜
答えは後々わかることでしょう。
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