ウワサ事変
藤近有鈴
プロローグ
「あいつはビッチだ。」
どこから来たのか分からない噂が周りに広がっている。
「あいつまじでビッチなのかよ〜」
「頼めばヤらせてくれるんじゃね?」
クラスの男子が騒がしい、きっとあの少女の噂だろう。
「誰なの?こんな噂流したの!」
ある少女は気が狂うほどに周りの視線が冷たく感じた。
「もう人前にはでれない。」
そんな思い込みが少女の心を奈落へと突き落とし蝕んでいく。
家に帰る頃には少女の涙は枯れ果て、深い絶望だけが部屋に漂った。
「私がなにか悪いことしたの?どうしてこんな酷い噂が流れるの?」
少女の心は砕け散り、現実に目を向けることのできないほど心身共に疲弊していた。
自分が何をしたのか…?
どうしてこんな目に合わないと行けないのか?
そんな自問自答が突き立てたナイフのように
少女の心に深く刺さる。
”その日の晩、少女は首を吊っていた。”
そんな幼く脆い少女が家族に見つけられたのはすっかり衰弱しきった後であった。
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謎解きの声
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ウワサというのは実に残酷です。
見たこともない人までがそのウワサを信じて
情報を誇張しどこまでも広がってしまう。
一度広まったらもう止まらない。
誰が広め始めたのかもわからなくなる。
信憑性など微塵もなく、広がっては霧散してを繰り返す。
それがウワサです。
いまはインターネットが一般的に必要不可欠な時代ですからウワサなんてのはすぐに広がってしまいます。
この物語ではそんなウワサの発信元を見つけ出すのが主人公の目的となります。
目的を追う中で自分を汚し醜くなってでも
愛する人のために手段を選ばない。
中学生ならではの無謀さが実に
切ない謎解きミステリーとなっております。
そんな主人公が行き着く先とはハッピーエンドなのかバッドエンドなのか…
これは物語を最後まで読んだ貴方に委ねます。
ではそろそろ幕間のお時間です。
ウワサをウワサでかき消す。
そんな無謀な世界へと
いってらっしゃいませ。
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