【悲報】社畜が転生したらまた社畜になりそうです。全力で回避してやらぁ!
皇 夢萌
第1話 転生はお望みで?
現実はやっぱりうまくはいかないらしい。
20XX年
「ぐはっ!?」
「はっ、ざこが。お前なんかが勝てるとでも思ったのか?笑わせてくれる。ずいぶんとなめられたものだなっ」
「だぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!?」
ただ、殴られる。魔法すら俺にはもったいないというのか。
くそっ...なんで俺がこんな目に...
...いや、自業自得か。
だって俺はあの大魔王様を敵に回したのだから。
2023年
「あなたは死にました。」
「あーはい...」
「え、ちょっと受け入れるのが早くないかしら?!」
まあ、あんなに働いていたらねぇ...いつかは体壊すと思っていたし。
立派な社畜となり、早二年。よく耐えたな、俺。
…死んだけど。
てか、この神様(?)くそ可愛いな。周りになんかオーラまっとてるし、すげえ魔法とか使えたりするんかな。
「ごほんっ...あ、私としたところが申し遅れましたわ。私は死後の世界への案内人、であり、絶世の美女、アーリス・ミアナですわ!」
...訂正。たぶんただのポンコツだわ。
「…あなた今なんか失礼なこと考えませんでしたこと??」
「き、気のせいじゃないですか?」
「…まあいいですわ。ところであなた、前世ではかなりのオタクでしたわよね?」
「え、まぁ、はい。」
もしかしてこっちの世界ですら美女にオタクいじりされんの?俺、悲しい。
「いじりたいんじゃありませんわ。大体私、あなたにゆっくりかまっていられるほど暇じゃないんですの。」
「いや言い方ぁ!じゃあなんで聞いたんだよ!」
「はぁ、うるさいですわね...。」
こいつ、もしかして俺に喧嘩売ってる??
「簡潔に言いますわ。」
「あなたには今、二つの選択肢がありますわ。一つはこのまま現世に生まれ変わること。もう一つは...」
「異世界転生する、ですわ。」
「異世界転生します!」
「はや!?ここは普通少し考える時間になるんですわよ!?」
「いやだって、現世に未練とかないし。それに異世界転生といえばかわいいヒロインに囲まれながら最強勇者になるのが定番だろ?!そんなん行くしかないじゃん!!」
「え、あ、違いますわ!あなたには魔王の―――」
「いいって!魔王の討伐だろ?まかせろって!お、ここのゲート通ったら異世界か?よっしゃ行くぞー!」
「待ちなさいですわ?!」
「んじゃ、行ってきまーす!」
「え、ちょ、あなたは勇者じゃなくて!」
ん?
ゲートに吸い込まれ、徐々に遠のく意識の中でミアナさんが叫んでいた。
「———魔王の手下に生まれ変わるんですのよ?!」
「は?」
【悲報】社畜が転生したらまた社畜になりそうです。全力で回避してやらぁ! 皇 夢萌 @mumesan0924
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