第2話 深層心理

【頑張りなさいよ、必ずあなたを知ってる人見つかるからね】


 お袋…俺の母親なんだけど…でも、今は俺のこと知らないんだよね。なのにこんなに優しくしてくれて…それが余計に切ない…😭


【あ、ありがとうございます…頑張ります…】


 冷静さを失っていた。ここは俺の実家なのに、両親は俺のことを覚えていない。何なんだ、これ。


 間違いなく俺の両親だ。この家いた親父もお袋も、なのに。何で?何が起きたらこうなるの?


 あの公園でおじいさんに何か渡されて…そうだ!!なにか意味があるんだ。あの公園だ!!行ってみよう。



雰囲気、何も変わってない。この公園も。



 確かにここで、おじいさんと会って、コーヒーを。あの自販機で買って、えーと、それから150円を返して、んー、どうみても普通の公園だよな。


 その後は、なぜか急に海…海か!何であの海に飛ばされたんだ?日付時間共に変わってない。よくドラマとかであるタイムスリップではないか。


 とりあえず海に戻るか…どうしても行きたかった思い出の海が見つかったのに、俺はこんなことに。


また電車で戻るのか、あの海に。


 着いたけど、気がついたらこの辺りにいて、これ!!これだよ、おじいさんから貰ったクリスタル!夢で無かったんだ。とりあえず大切に持っておこう…謎解く重要な…


おっ?あれ…また光に…


 今度は目をつぶらないぞ!!凄い光に包まれてるな、なんだろうこれって……駄目だ、目を開けてられない…



……今度は意識を保ったぞ!!えー、ここは……



公園だ。おじいさんと会った公園…



寒っ!!何で俺、👕でいるんだっけ?寒すぎる~


【おおっ、戻ってきたか!!使い方は解ったかな?】


おじいさん!!寒い!!とにかくどこかへ入らないと…


【おじいさん!!何したんですか?海に行って、それからえーと、とにかくちょっと喫茶店にでも行って話を聞かせてください。寒すぎる!!】


【そりゃ、その格好、寒かろう。解った。使い方も詳しく教えんとな】


 さ、寒い…とりあえず喫茶店に行く前に上に着るの買っておこう。




【あんた、その服似合わないぞ】


【選んている余裕なんてないでしょ!!寒すぎるんだから。それで、おじいさん、何したんですか?俺のこと両親知らなくて、焦って、パニクって…】


【すまん、すまん、使い方も教えずに。手に持ってるそれはな、あんたの深層心理に残ってる場所へ行くことが出来るんじゃ。だだな…】


おじいさんの話を遮るが、俺の言いたいことは!!


【ストーーーップ!!深層心理ってのは?そんなもの望んでないけど!】


【話の途中じゃ!さては、お主かなりの慌てん坊さんじゃな】


【そりゃ慌てるでしょ!!いきなり訳わからず海に…海?なんで海に?】


【それじゃよ!!行きたかったんだろ。それがあったから作動したんじゃ!!】


作動?


【だから、その海に行ってそこまで良かったけど、暑かったし、でも日付は合ってる?、めちゃ好みの素敵な女性の民宿で休ませてもらって、両親は俺のこと忘れてるし、ハチャメチャでしたよ。あれ?今は?ここはどこ?】


【だから話の途中じゃ!!最後まで聞きなさい!!その深層心理の場所へ行けたが、そこは本来お主のいない世界じゃ!!そこはじゃな…】


解っーーーーーた!!それは、有名なアレだね!!!


【パラレルワールド!!そういうの詳しいんだ、俺!!】


【バカもん!!】 ※パカーン!!※


痛た…何で杖で叩かれた?


【痛いって、もう!!何で?叩くんだよ】


【だから、最後まで聞きんしゃい!!】


この、おじいさん、いろんな言葉で話してくるな…


【パラレルワールドじゃないわい!!そういうはドラマとかではあるがの…深層心理による新たな世界を作り上げたんじゃ!!お主が行きたかった海は夏に行ったんじゃろ?だから季節も夏!!でも、今の日付じゃ!!それをおかしいと思うのはお主だけ。作り上げた世界では、みんなそれが普通なんじゃ】


おじいさん、オッケー👌よし!解った!そうか!


【お主、解っておらんな…これは人生の中で後悔や辛い思いをした人がそれを乗り越えるためにあるんじゃ。簡単に言うと…そうじゃな、夢を自由に見れると思えば良い。ただし………絶対にその新しい世界で恋をしてはならんぞ!】


【オッケー👌恋をしなければいいんだね!!】


【お主…とても軽く捉えておるの〜解っておらんようだが…大丈夫かの〜それはお主には無理か…】


【大丈夫!!とりあえず海の場所も解ったし、両親も今度は普通に会って俺のこと覚えているんだね】


【そりゃ、そうじゃが…お主はその作り上げた世界で誰か女性が出てこなかったかの?】


【大丈夫!!海しか見てないから、使い方解った!!ありがとう、おじいさん。じゃ!!】


……………………………………………………………



【あやつ、本当に大丈夫かの…心配じゃ…さっき、素敵な女性って言わんかったか?あやつ…】



……………………………………………………………


とりあえず、両親に会って、


【お袋、ただいま!!】


【あんた、何その格好?】


【お袋、おにぎり食べたい!】


【とりあえずお風呂に入って、その間に作っておくから。おにぎり?オムライスとかカレーとか作れるけど?】


【おにぎりがいい!!】


 普通の生活に戻ったってことかな。良かった、良かった。そうだ、あの海のこと、話さないと。


【そう言えば、俺が探していて海、行ってきたよ】


【そうなんだね、思い出せたの?凄い記憶力だね。何処だったの?】


【今度、連れてくよ、お袋と親父二人を】


【ありがとうね。そのダサい服どうにかしなさい。それに何でそんな薄着で海行ってたの?】


【暑かったの、海は】


【???とにかく早くお風呂に入りなさい】




実家のこだわりのお風呂…落ち着くんだよな〜



あー、快適快適!!



さっき、おじいさんにウソついちゃったな。


 深層心理とかってので、海で素敵な女性に会ったもんな。綺麗で、どんな人だったかな?思い出せない。


また行ってみればいいか。


作り上げる世界か、ワクワクドキドキ💗


 深層心理って、行ったことのない場所の場所には無理なんだろうな、きっと。


【おにぎりだけだと栄養取れないから、具だくさん味噌汁も作ってあるからね】


【ありがとう、お袋。もう少ししたら出るよ】











 


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