第89話 言葉選び

 全国紙と呼ばれる新聞に対して地方紙と呼ばれる新聞があります。わが兵庫県で発行されている地方紙は神戸新聞といいます。


 今朝の神戸新聞、一面のコラムに読書週間がはじまったと書かれていました。ノーベル文学賞を受賞した韓国人作家ハン・ガンさんを引き合いに韓国文学が読まれていること、ガルシア・マルケス『百年の孤独』の文庫本が話題になっていることと並んで、哲学者の池田晶子さんの言葉を紹介しています。


「今の社会は、知ることで満足してしまって考えることをしなくなった」


 そのとおりで、いまのわたし自身がスマホを手に池田晶子さんの名前を検索してなるほどこういう人かと情報を集めながら、このエッセイを書いています。知ろうとはしていても、考えることはしていないのかもしれません。


 ただ、いまの世の中、こういうふうに文化人の言葉をひいて、読者の無知なり不明を指摘、啓発するような新聞は喜ばれないんだよな〜と思ってしまいました。


 ネット空間には個々の読者の嗜好にあう言葉や考え方が溢れています。上から目線は読者にそっぽ向かれちゃうんだぜ。新聞がエラかった昔と今はちがうから言葉の選び方には気をつけないと。わたしもエッセイでエラそうなこと書かないよう注意しないと(笑

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