第82話 源氏物語

ご無沙汰しています。もともと少ない時間を「百年の孤独日記」を書くことに使っているので、こちらを書く時間がありません。フォロワーのみなさんにはご迷惑をおかけしますが、気長におつきあいください。さて……。



 いづれの御時にか 女御、更衣あまた候ひ給ひけるなかに……。


 NHKで放映している大河ドラマ「光る君へ」について。正直いってわたしはほとんど見ていないのですが、NHKプラスでみる「光る君へ」とのコラボ企画や、よく聞いているポッドキャストの番組で聴いた内容を総合すると、かなり評価が高いドラマのように感じます。


 ――そういや「源氏物語」って知らないんだよな。


 源氏物語を読んだことはありません。じつは実家の本棚に「日本文学全集 源氏物語 与謝野晶子訳」(河出書房)というのがありまして(おそらく母親の蔵書。昭和の時代には「教養」を示すために文学全集や百科事典を買うことが流行しました)、手に取ったことはあったのですが内容がわけわからなすぎて挫折した記憶があるのです。


 ――「平家物語」と似たようなものだと思ってたんだけど。


 軍記物語である平家物語は、小学生向けの読み物で読んでいたのでそういう風に思っていたのですが、源氏物語はそうじゃないんでねえ……。平安貴族の恋愛物語は小学生向けの読み物にはならなそうですもん。そんな中学生が源氏物語を読んだんですから意味わからないのも当然です。


 そんなこんなでこれまで読まずにきた源氏物語ですが、あまりに知らないのも恥ずかしいなと思いまして、解説本を買いました(汗)。『源氏物語解剖図鑑』(佐藤晃子・文/伊藤ハムスター・イラスト エクスナレッジ)。とてもおもしろいです。源氏物語は全54巻の長編小説なのですが、それぞれの巻を見開き2ページで解説するという簡易解説本です。かわいいイラストが豊富で飽きさせないつくりもいい。


 この本を読むと、女性に源氏物語のファンが多い理由がなんとなく分かったような気がしました。女性の立場が弱かった平安時代(とういか、近現代に至るまで女性の立場は一貫して悪かった)、大勢の女性を庇護し、後ろ盾となってくれる力を持った光源氏(血筋、能力、教養、容姿すべてが最高スペック)は女性にだらしないという欠点を差し引いても、ヒーローだったんじゃないですかね。


 勉強になりました。今度は「源氏物語」の現代語訳にも挑戦したいと思います。

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