第58話 ルイージマンションと記憶の鍵

 どうにもこうにも、エッセイを書くペースが一定しない藤光です。梅雨どきで洗濯物の乾きにくい季節、みなさんいかがお過ごしでしょうか。わたしは書くネタがなくて困っています。



 息子が、ニンテンドースイッチ用ソフト『ルイージマンション2HD』で遊んでいます。自分のお小遣いで買ったのです。楽しそうだ……。


『ルイージマンション2HD』は、2013年に発売されたニンテンドー3DS用ソフト『ルイージマンション2』のHDリマスター版。内容は、「マリオブラザーズ」の主人公マリオの弟、ルイージがの棲みつくマンション(?)を探索する――というアクションアドベンチャーゲームです(アドベンチャーゲームとはコンピューターゲームの分類のひとつで、「謎解き」の楽しさを核に作られたゲームを指していいます)。


 10年以上前に発売されたゲームですが、ゲーム性はまったく古びていないので、いまでも十分楽しく遊べます。アイテムを求めてお化け屋敷を探索していくゲームなのですが、ゲームの肝となる「謎解き」と「アクション」の難易度が絶妙にバランスされていて、小学生から大人まで楽しめる懐の広さがニンテンドーのゲームらしくてマルです。


 お化け屋敷を探索する過程で、ルイージは開かなくなった扉の鍵を探します。屋敷の中には様々な仕掛けがあってルイージの行く手を阻みます。こここそプレイヤーの知恵と指先の器用さの見せ所。ルイージに鍵をゲットさせましょう。

 

 ……というふうに楽しい『ルイージマンション2HD』ですが、この鍵を探してきて開かない扉を開く――というのが、いまネタを思いつけないでいるわたしの状況に重なるなあと、妙に感心しました。


 書くことがない書くことがないと、このエッセイにもときどき書くのですが、本当に書くことがないわけではありません。人の頭の中には、こんな1000文字程度のエッセイなら、1000本や2000本余裕で書けるくらいのアイデアや経験がストックされているはずです。ただ、それは頭の中の引き出しに厳重に仕舞われたまま、わたしたちは引出しの鍵のありかを忘れてしまっているのです。


 記憶の鍵は、人生のあちらこちらに巧妙に隠されています。ただ漫然と生活しているだけでは、なかなか見つけ出すことはできません。それこそ「ルイージマンション」を遊ぶときのように「みつけてやるぞ!」と決心しなければみつかるものではないのです。


 今日はこうしてエッセイを1本書くことができましたが、つぎのネタはどうしましょう? ……カクヨムへの公開と同時に、次の記憶の鍵を探しに出かけなければならないのでしょうか。現実とゲームの境目があいまいになりそうです。。。

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