第50話 「読み上げアプリ」をダウンロードした

 以前から「読み上げアプリ」なるものが存在することはカクヨムのエッセイなどで知っていたのですが、最近ふと思い立って自分のスマホに導入してみました。


 きっかけは長い通勤時間を利用して、カクヨムに上げてあるカク友さんたちの長編小説を読む(聞く)ことができれば、田舎に転勤して以降重ねてきた不義理が多少は解消されるのではないかと考えたからです。


 ただ、わたしは現代のIT技術をまだ信用していなくて、「読み上げっつったって、コンピュータが人間みたく文章読めるわけねーじゃん」とアプリのことを馬鹿にしており、「エッセイのネタになるかも」くらいの思いで導入したのです。


 その結果……まあ人間のように読むことはできないです、正直なところ。


 どうしても発音が不自然だし、漢字の読み間違いは多いです。間をとるべきところでとれませんし、切ってはいけないところで文章を区切ったりします。人間の朗読としてはまったくダメなのですが、でも、わたしが想像していたレベルよりはいくつか上だったのです。昨今のAIは進化速度が早いので、そのうち違和感なく日本語の文章を読み上げるアプリが登場するでしょう。いまからその時が楽しみです。


 で、カク友さんの小説やエッセイを読ませて見たのですが、これがあまり良くなかった。原文を見ずに、アプリの読み上げだけ聞いていると、読み間違いが多いのでそれが気になってしまい、内容が頭に入ってこないのです。少し読ませただけで、やめてしまいました。


 ――こりゃ、エッセイのネタにも使えんぞ。


 と頭を抱えましたが、試しに他人の小説ではなく、自分の小説をアプリに読ませたところ、これがよかった!


 自分の小説は書いた内容が分かっているので、アプリによって奇妙な日本語で読まれてもよく分かるのです(当たり前だ)。ただ、自分で読む(黙って読む)のと違って、アプリとはいえ文章を朗読してもらうと、文章のリズムが感じられてよりおもしろいです。


 特にわたしは声に出して読んだ時に気分よく読めるように書いているつもりなので、人工音声の朗読であっても読んでもらえてとてもうれしいです。自分の小説をおもしろさを再確認することができました。(自画自賛〜)


 わたしの使っている「小説を聞こう」というアプリは小説サイトに対応しているので、ひとつのエピソードが終わるとアプリが自動的につぎのエピソードを読んでくれることにも感心しました。自動車での通勤時間中、30分でも1時間でもフリーハンドで読み上げ続けてくれるのは楽チンで助かります。


 現状、まだまだ聞き苦しいところが多く、手元に原文がないと理解できない読み上げアプリですが、将来的にとても役にたつものになるのではないでしょうか。その時はまた、自作を読ませて悦に入ろうと思います(笑)


 読み上げアプリって使いますか?

 

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