第37話 小説のキャラクターについて考えてみた件

 あまり本を読まなくなったためか、NHKプラスの話ばかりになってしまって申し訳ないのですが、いまNHKプラスで『ドキュメント72時間 春の池袋でアニメな人々を見つめてみた件』というのを見逃し配信しています。


 かつてのアニオタとして、アニメにはそれなりの思い入れがある&72時間のファンでもあるため、番組をみました。番組の内容はアニメ関連グッズを買い取ってくれるお店に3日間カメラを据えて、やってくるお客さんを観察、インタビューするというものだったのですが……。


 アニメファンを取り巻く空気感は、むかしと変わってるんですね。インタビューされた人たちが、自分の「推しキャラ」について語るのをみて思いました。むかしのアニオタは、隠れキリシタンみたく、いまよりずっと日陰者として扱われ、自覚もしていたものです。


 ところで、いまはいろんなモノやコトを「推す」時代なんですね。「推し」という言葉には、単に「好きです」と表明するに止まらない、「これをおすすめします」という意思が込められているようです。これは、SNSで自分の好きなものを発信する文化からやってきた言葉なんでしょう。アニメにしろ、小説にしろ、いまはファンから推してもらえる作品を作らないとヒットしないんだなと思いました。


 SNSで人になにか、小説やキャラクターをおすすめしたいときに、自分だったらどんな小説やキャラをおすすめするか考えてみました。もちろん、自分が感銘を受けた小説や好きなキャラクターをおすすめしたいのですが、一言で「こういう小説です」とか「こんなキャラクターです」と説明できる作品の方が安心して勧められます。


 複雑な背景や構成を持った物語や相反する感情や矛盾する行動をとる登場人物って、SNSでそれを十分に説明するのは難しい。まして、その複雑さや多層性が魅力となっている小説やキャラクターをSNSで理解してもらうのは至難の業です。少なくとも、わたしにはムリ(笑)言葉を尽くしても分かってもらえないかもしれない。


「推し」に向いているのは、分かりやすい物語と分かりやすいキャラクターです。ラノベには、分かりやすい物語が向いているので(偏見?)、何を考えているか分からない、矛盾する行動をとるキャラクターをメインに据えるのは避けるべきでしょう。それだけだと薄っぺらいストーリーになってしまうので、それぞれの個性が際立ったキャラクターを何人も用意します。純文学ならひとりの人物の内心で繰り広げられる葛藤を、ラノベでは複数人のキャラクターに割り振って展開させると分かりやすく、読みやすいものになるでしょう。


 とかいって、わたしはほとんどラノベ書かないんですけどね。そういうのも書いてみようかな。。。

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