ピンハネから分かる腐ったギルド
受付にドロップアイテムと宝箱を渡して売却を行う。宝箱は中身を見てから売る事も出来るが中身も全て売らなければ生活が苦しくなるので宝箱の中身も売り払っている。
しかしその際に問題が起こる。
「これが今日の料金と領収書よ。感謝して受け取りなさい。」
そう言われて領収書を見る。
『ゴブリンの歯(10円)×30 300
ゴブリンの棍棒(100円)×5 500
魔玉(1000円)×2 2000
ポーション(500円)×3 1500
石の剣(50円)×1 50 計4350』
と書かれていた。
察しがついていると思うがこれはちゃんとした値段ではない。
歯は本当は一つ100円だし、魔玉は一つ10000円だ。つまりピンハネしているのである。それも九割。
このピンハネは俺にだけ日常的に行われている。理由は俺がスキルなしの冒険者だからだ。それにピンハネをやっているのはコイツだけではない。このギルドに所属している受付全員がやっている。そして全員俺を見下している。
当たり前の話だがだがピンハネは冒険者の権利を守る為に作られた『ダンジョン法』と言う法律に違反している。しかしコイツらは裁かれていない。
ギルド長に訴えてもギルド長もこの事に関わっているから一蹴されるしなんなら受付以外の複合施設を出禁になった。
日本中のギルドをまとめている『冒険者協会日本支部』にピンハネの事を証拠と一緒に何度も直接伝えても相手にしてくれない、むしろクレーム扱いされた。なんなら通報するとまで言われた。
警察に証拠を持って行っても俺がスキルなしだから「その待遇を受け入れろ」とか言って動かない。もうお手上げなのだ。
だから文句も言わない。文句言っても無駄だからだ。
「午前だけの活動ではギリギリだな。勉強時間を削るしかないのか…。」
料金と領収書を受け取りそう呟きながらギルドから出たのだった。
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