第9話 妹たちの狩り
妹たちが12歳になりました。
俺もとっくに18歳(成人)になりました。
こんにちはクルトンです。
18歳になってもまだ村にいるのは勿論妹たちの狩りに同行する為。
父さん、俺、弟と妹たちの総勢5名。
・・・獲物逃げてきませんかね?
間違いなく獲物に気付かれるので父さんと妹たち、俺と弟で班分け。
俺たちは100mくらい離れて着いていく事に。
森に入って暫く、見つからない。
(やっぱこの人数だと気づかれるよなあ)と思った矢先、俺たちの横方向に何かの気配。
ゆっくり首を回すと鹿がいた。
向こうも気付いていてバッチリ目が合い弟含めお互い動けずにいると鹿が弾かれた様に一瞬地面から脚が離れ、そして倒れた。
射線の元をだどると妹たちが「イエーイ!」とか言ってハイタッチしてる。
何やってんの!他の獲物逃げちゃうよ、父さんなんか言ってよ!
はい、あの後すぐに森の入り口付近まで戻り反省会をしています。
鹿はしっかり血抜きして俺が担いでいます、しっかり心臓に矢が刺さってました。エフ、お前天才かよ。
しかし、さすがの父さんも厳しい顔です。
色々ある様ですが父さんが話しだします。
「イフ、エフ、お前らは狩人に向いてない」
ハッキリ言われました。
ちなみにイフと呼ばれたのが姉のイフロシューネ、エフが妹のエフロシューネです。
なんでも二人の技能は尖がりすぎてて、二人で能力を補完し合ってようやく一人前なのだとか。
狩りに出る前、当然二人の技量はどんなものか父さんが確認しています。
イフは索敵と気配遮断の、エフは弓矢の技能が飛びぬけてると。
逆にイフは弓の、エフは索敵と気配遮断が苦手。
狩りに出て改めて認識したが、その尖がり具合が予想以上の様で「こりゃ無理だ」って結論になった。
二人そろえば無類の強さかもしれないが一人になった途端森で野垂れ死んでしまっても不思議じゃない。
何が有っても一人で家まで戻ってくるのが狩人の最低条件だから。
当人は不服そうだが父さんはじめベテラン狩人と一緒じゃないと森に入ることは許可されない事になった。
仕方ないね。
そこで長兄たる俺が妹たちへの好感度アップを狙ってアドバイスをば。
「その技能を村の後進たちに教えてやればいいんじゃね」
うちの両親は読み書き計算一通りできる。
当然俺を含め子供たちもその教育を受けたしこの村内では結構高レベルだと思う。
前世の俺は浪人も留年も経験せずに大学卒業したし。
文字の読み書きも併せて技能習得の場を設けるとかどう?
先生は妹たち。
あっ聞いてないね、君たち。
まあ、父さんはじめ家の男衆に感化されて狩りなんかしているが、そもそも女性を危険な場所に連れてくること、させることがこの世界の倫理に反しているからそういった意味でもしょうがないね。
平民なので騎士とは言わずとも軍属となれば、
組織の中で才能を発揮させればとんでもない活躍するだろうが・・・それは言わなかったよ。
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