ルードと音の出会い

ルードは、ぐうたらダメ人間。

これと言って、何もない。

誰かと付き合うとか、

何かに夢中になるとか。


そう。誰かと付き合うというのは、

自分以外の誰かと、

言葉や行動を増し合わすこと。

でも、ルードは、一人ぼっち。

寂しくはないし、それが普通。

一人称でいる分には、自分が成長する以上には広がりを得ない。

そして、サツチは、寂しがりや。

休みがあれば、誰かこうかと、つるんでは

時間を費やす。


「ルード。行く?竹の子採りに。」

「行く。」

ルードは、サツチが友達と竹の子を取りに行く時に、便乗して、連れて行って貰った。

それ以来、サツチが居ない時も、ルードはサツチの友達と、山に山菜を取りに行ったりした。

一人では出来ないこと。

人が居るから出来ること。

人が居たからこそ出来たこと。


サツチの友達は、猿の様に木をするするとよじ登り、木の上の方の枝や茎を折っては、

放り投げる。

「ほれ。ルード。こしあぶらじゃけん。」

「とれよ。」

上からポイポイ放り投げる。

こしあぶらを収穫したら、次は山椒。

山菜を摘むために、木をゆっさゆっさ揺らしたり、木の上の方の実を採るために、しならせたり、縦横無尽に山の中を駆け巡っていた。

木にムチャをさせているな。。。

そう思っていた時、奇妙な音が奥から鳴り響いている。

「ドゴンドゴンゴロゴロゴロゴロガー」

「ドゴンドゴン」

「ねぇ?何か聞こえない?」

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