第2話 2回目は立場が逆なのだよ
初配信から2日、俺たちの動画は1000再生を超えていた。
チャンネル登録者は100人を越えていた。
無名からすれば上場の進みであろう。
1週間に一回投稿する予定なのでまあいいだろう。
あすはよ、五日後を楽しみにしておくことだな。
クフ…フッフ、クッハッハ!!ゲホッゴホッ!!
————————————
天界にて
「それで春樹が面白かったよ~」
「あすはばかりずるい!」
「そのVtuber?てのにも少し興味あるからね!」
「じゃあまた行く?」
「「行く!!」」
二人の神があすはに便乗した。
————————————
??
なんか今変な悪寒が走った様な…?
気のせいか。
さて、これからも配信を続けていくならTvviterのアカウント作らないとな。
チャンネルと同じで”神様のたまり場”でいいか。
と、そんなこと思っていると…
「ただいまー!」
妹が帰ってきた。
俺のような引きこもりとは違い妹の冬華はいつも学校に通っている。
優等生、運動神経抜群、美人というチートキャラ3台ツールを持ち合わせている女性だ。
妹ながら俺とは大違いである。
くそっ、陽キャのコミュ強め!
「ハル?」
「おおう!?」
いきなりあすはに声を掛けられ俺は変な声を上げる。
不意打ち幼女は心臓に悪い。
「妹帰ってきてるんだから気を付けてよ?」
「そんなことより結構大事な話があるんだけど…」
そんなことで片付けれる内容か?
まあいいか。
「まえにさ、私の知り合いが遊びに来たじゃん」
「ん…?ああ、あのうるさい二人組?」
「そうそう」
そんな会話をしながら俺はあすはが入ってきた窓を閉める。
「また遊びに来たいって言ってて配信に出たいらしいんだよ」
「いいけど…うるさくするなよ?」
「ってさ!入ってきていいよ!」
「え?」
バリーン!!
先ほど占めた俺の部屋の窓が割れる。
入ってきたのは15歳くらいの少女たちだ。
庭津日神と波比岐神という名前の神らしい。
「お~兄~ちゃ~ん~?窓ガラスは割るなって言ったよねえ~?」
「まずい!さっさと隠れろ…っていねえ!?」
隠れるの早すぎだろ!
そう思っているとドアが勢いよく空いた。
そしてその先には金属バットを持って笑顔の妹が…
あれ、これ俺殺されるくね?
「待て、妹よ。話せばわか——「これで何度目だと思ってるんだあ!!」」
殴られました。グーで。
さすがにバットは使わなかった。
さすがに死ぬからね。
妹はさすがにそこの区別はあるらしい。
「次からは気を付けるように」
「ハイ、スイマセン」
「っていうか前から思ってたけどなんで部屋側に破片が飛び散ってるの?」
「…ん?」
あれ、こいつこんなに鋭かったっけ?
「それはあれだ。ほら、ブーメラン投げてたからさ!」
「もしかしなくてもお兄ちゃんバカ?ていうか元からか」
妹よ。少しは疑ってほしかったよ。
「と・に・か・く!次から気を付けてよね!」
そういうと妹は扉を強くしめた。
ちなみに窓はガムテープで補強してある。
なれたもんよ。
「いや~大変だったねえ~」
「誰のせいだと?」
庭津日神、にわつと呼んでいる少女がそういう。
ちなみにもう一人の神が波比岐神、はひきである。
につは黒髪に赤目、ポニーテールだ。
はきは黒目黒髪でボブカットの気弱そうな少女だ。見た目だけでそんなに気弱ではないのだが。
「まあまあ、少年。過ぎたことは気にしない!」
「おかげでまた金が吹っ飛ぶって話する?」
「さあ、ゲームでもしようか」
「オイ」
逃げやがったこいつ。
「あーそれで、配信に出たいのか?」
「そう、はひき達も出てみたい!」
「うんまあ…いいか」
「やったー!」
「ありがと…」
うっ、かわいい…
だが、俺はこいつらの本質を知っているから恋になんて落ちやしないのだ。
というか好きになったら絶対おちょくられるしな。
「どうした~?もしかしてあまりの美貌に見惚れちゃった?」
「叩き潰すぞ」
「ハエか私は」
家主に気づかれずに忍び込んでいる時点でハエか泥棒以外のたとえはないのでは?
いや窓ぶち破ってくるのもたいがいなんだけどさ。
「ん?あれちょっと待て…」
「どうした少年?」
「もしかしてお前らのVも俺が作るの?」
「頑張ってネ☆」
「Oh…」
こちとら高校生やぞ?
いやまあ週に二日くらい学校さぼってるんだけどさ。
これは徹夜になるなあ…
エナドリ買っとくか…
————————————
「で…きた!」
はっはっは。
四日徹夜だぜ!
学校?行ってないに決まってんだろバーカ!
あ、妹には言わないでください殺されてしまいます。
というわけで今日は土曜日である。
明日が配信当日なので今日はぐっすり寝るとしよう…
「おにいちゃ~ん」
妹の冬華が春樹の部屋へと入ってくる。
むろん、彼は自分のベットで熟睡しているので気が付かない。
「今週ずっと学校さぼって…って寝てる…」
あきれた声で彼女がつぶやく。
その右手にはバットが…むろん、風船である。
無言で彼女は寝ている彼の頭をそのバットで軽くたたいた。
「はあ……ん?」
彼女は部屋を見渡しあるものに目が行く。
先ほどまで彼女の兄が作業をしていたPCの画面がつけっぱなしだったのである。
「液タブ……何か絵でも描いていたのかな…って、え?」
彼女は付きっぱなしになっている画面を見て驚愕する。
自分の兄がVを作っていたのだ。
「お兄ちゃんがVを…?」
そうつぶやきつつ彼女はPCでSNS等を開き始める。
そしてmetubeを開き1つのチャンネルを見つける。
「何これ…『神様のたまり場』…?」
彼女の兄が運営しているチャンネルだ。
チャンネル登録者は100人前後。
だが投稿した動画はたった1本。
しかも1週間でだ。
「これは…そのうち”私とも”関わりそうだね…」
春樹の妹である冬華はそういうと自分の兄に毛布を掛ける。
ただし顔面にだ。
彼の妹はそこまで優しくない。
家が神様たちのたまり場になっているので配信させたらバズっちゃった @woto
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