徳を積むということ。
1勝1敗で迎えたマイアミとの3戦目。
前日、平柳君の内野安打から始まった最終回の集中打。見事な逆転勝利を飾ったシャーロットは、なんとこの日も平柳君の2試合連続となる11号のプレーボールホームランで幕を開けた。
わたくしのセンター前に続き、バーンズ、クリスタンテも続く。
ノーアウト満塁のビッグチャンスにアンドリュースが押し出しのフォアボールを選び、ブラッドリーは犠牲フライ。
ヒックス、ロンギーもコンパクトなバッティングでヒットを重ねた。さらにザム君があと少しでホームランという走者一層スリーベースでいきなり7得点。
前日のクローザーに続き、マイアミのこの日の先発は、犠牲フライの1アウトしか奪えず、1回持たずノックアウト。
さらにその後も、バーンズの豪快なホームラン飛び出すなど、終わってみれば先発全員複数安打の28安打、24点を記録した。
怒りのレモネード。その冷水を容赦なく相手チームに浴びせ続け、今シーズンの勢いの違いを見せつけたのであった。
先発の前村君も、試合状況に合わせて今日は打たせてとるピッチング。7回を2失点にまとめるクレバーなピッチングで、ウェブに並ぶチームトップの15勝目をマークした。
そんなわけでダッシュでおうちに帰り、待っていたのは素っ裸の双子ちゃんとレモネードの入浴剤が入れられたお風呂である。
爽やかな香りとなんともいえない清涼感。
こんなものを用意する眼鏡さんのやり口には、本当に恐ろしいものがある。
「パパー!おちんちんへんげやってー!」
「えー、やだよ、めんどくさいし。………パオーン!!左曲がりのパオーン!!」
「「きゃー!!」」
アメリカは、道が汚い。
それが俺がアメリカに住み始めて最初に抱いた感想である。
道路はちゃんと整っているんですよ。四角く、四角く、きっちりと区画整理がなされていまして。
普通に道を歩いていても、あと2ブロック先を右に行ったところがあの博多とんこつで有名なとこの支店だね。とかそんな会話が自然に成り立ちますから。
基本2車線で、路肩にはところどころに有料の停車スペースがあり、自転車ロードのラインも引かれていて、歩道も広い。
しかし、ゴミが散乱している。
きれいなのは、店舗やモールの入口や公共施設の周りだけ。
常にお掃除おじさんが巡回しているのだが、なかなか間に合わないようで。コンビニやテイクアウトしたゴミや缶やボトルが平気で転がっていますからねえ。
中身が入っていなければ、マシに思えてくるくらい。
ですから、メジャーリーグのベンチやダッグアウト裏というのもなかなかのものでしてね。
食ったのそのまんま、飲んだのそのまま、使ったものは出しっぱなし、開けたのは開けっ放し。
酷い時は、前日に食べて放置されたバナナの皮がベンチの隅っこで干からびたりしていますから。
俺も毎日のようにみのりんに指導されてしまうなかなかの散らかしマンですけど、アメリカはレベルが違いましたわ。
日本だと、試合が終わって撤収する時には、主に若い衆何人かでやるお約束。
ボトルとか紙コップとか、ちょっとしたゴミは一通り拾ってきれいにしてから自分の荷物を持って後ろに引き上げる。
なるべく美しい形を保ったまま。来たときよりも美しくという精神がある人が多いですからね。
あまり口酸っぱく言うことにはなりませんでしたけど。
ですからメジャー、シャーロットに来てからは本当にビックリしたわけですよ。
そんなわけで平柳とお互いのトレーナーや通訳さん達と、誰が捨てたか分からんやつでも、拾えるやつは拾っておく。
後ろでまとめてゴミ箱に入れておけばいいんだから。
ホームでもビジターでも、ヒットがたくさん出た日でも、1本も出なかった日でも。
変わらずに、毎日、毎日。
何でお前らがそんなことをするんだとか。スタッフの仕事を奪うつもりかとか。
最初は色々言われましたけど、結局は結果を残し続けるための所業ですのでね。全ては自分の為である。
今日はこの、ガムの包み紙を拾ったことで、ファーストフライになっていた打球が頭の上をギリギリ超えてくれるかもしれない。
バナナの皮を拾ったことで、俺が放ったボテボテのゴロを捕球しようとした野手が足を滑らせて転ぶかもしれない。
フライドポテトの箱を拾ったことで、イメージキャラクターにもなれるわけですから。
レモネードを被ってしまった今回は?
という思考が、かずちゃんのオムツを交換する俺の脳を支配するのである。
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