300では足らんかったですわ。

シャーロット、新井時人が日米合わせて自身初となる月間MVPを獲得!!



メジャーリーグ、シャーロットウイングスに所属する新井時人(37)が、8月度の月間MVPに輝いたとの発表があった。



新井は8月の成績を106打数51安打、打率4割8分1厘、20打点と共にリーグトップとしていた。



さらに8月10日には、投手として1イニングを無失点に抑え、直後にチームは逆転。キャリア初となる勝利投手となったことも評価された。


ライバルと目されていた月間13ホーマーの同僚バーンズを僅か数十ポイントの差で競り落とし、日本時代から通算して初めての月間MVP受賞となった。



「ついにやりました!今まで、顔の良さだけで野球選手をやれていたという風潮だったので、この賞で世間の見方が変わると思います!


残念ながら、古巣は今最下位みたいなんで……。新井さんいなかったらやっぱりダメじゃんとか言われないように、ビクトリーズの皆さん、なんとか頑張って下さい。アメリカのバーベキューは世界が違いますよ」




という記事が早速週明けには出ていまして。昨日ラーメンを食べに行く前に、家族みんなでスタジアムの会見ルームに赴いて、上のユニフォームだけ着て、撮影と軽い取材。



何より、副賞はアマチケ3万ドル分ですから。



マジでデカイ。



100ドルのチケットが300枚ですからね。



一気に富豪ですよ。





いつもお世話になっていますから。



宣言通りに、まずはクロちゃんと桜井さんに1割ずつ分配する。



「ゴルフクラブとか買ったらあかんよ!家族の為に!家族の為に使いなさい!」



「分かりましたっ!家族の為のドライバーですね!」



などとボケるクロちゃんに腹パンを入れながら、ちゃんと封筒に入れてお渡し。



今ドライバーが1番欲しいとか知らんから。




あとはお供の2人だけではなくて、俺やみのりんのご両親だったり、31個年下だという妹のななちゃんだったり。


あねりんとか。ギャル美とか、ポニテちゃんとか、あかりんとか。2人のお弟子にや近い親戚の方々も。もちろんきゃらめるとおネコ様にも。



今、何か欲しいもんありゃせんかい。



アマで買えるやつだったら、買ったるでぇ!と、大盤振る舞い。



締め切りは3日後や!



と通達すると、ご注文がそこらかしこから入りまして。



子供のおもちゃだの、ゲーム機だの。空気清浄機だの、マッサージ器具だの、限定スニーカーだの、高級なフライパンとか、ラーメンの詰め合わせだのと言いたい放題。



3万ドルなんて、あっという間になくなってしまいましたわ!



そういった中、俄然絶好調になってしまったのは、惜しくもその3万ドルチケットを逃したバーンズである。



まあ、若くして年俸20億の選手なんでね。



たいしたダメージではないにしろ、8月のホームラン数破格でしたから。



打率もいつの間にか、俺に次ぐリーグ2位の3割3分まで持ってきていた。





「バッティサード。センターフィールダー、ナンバー26、バーンズ!!」



ズドンッ!!



打球音、色々祭りですよ。



多少詰まっても、バットの先でも関係ないんですから。打球はまさしくピンポン球のようにスタンド目掛けて飛んでいく。



1人だけやってる競技が違うレベル。



スタンドの何階席まで打球が届くかどうか大会。



バッテリーが工夫して配球し、ピッチャーが死力を尽くして投げて、目いっぱいまで下がった外野手の頭の上を楽々越えていく。



彼の打球がスタンドに飛び込む度に、1歩ずつ優勝という2文字が近付いて来ていることを実感する。



今も、今年16勝を挙げているピッチャーのボール。俺がなんとかピッチャー返し戦法のとろとろ打球で内野安打にしたボールを逆方向にズドン。



力みのないスイングですのに、打球はライナーでグングン。あっという間にライトスタンドの中段まで届くホームラン。



リーグトップに並ぶ42号。



シャーロットが初回、先制に成功した。



その1発でピッチャーの出鼻を挫いたのがよかったのだろうか。


バーンズのホームランに続くような派手さはないがしぶとくしぶとく。2回、3回、4回と小気味良く打線が繋がり、6点を奪い、相手エースをノックアウト。



前の試合の前村君に続いて、同じ左腕のフレッグリン君。今日も俺のあげた梅ガムを楽しみながら、テンポのいいピッチングを披露した。





狙われているところを交わし、待っているところを厳しく大胆に突く。



大卒1年目からマイナーで無双し、メジャー初登板でいきなりノーノーをやりかけ。



と、思ったら1ヶ月後に、マダックスノーノーをかましましたから、これはすごいルーキーが現れたぞと。シャーロットだけでなく、全米で大きな話題となったフレッグリン君。



まだ体が細く見える色白の若造だが、緩と急がしっかり操れていますわね。



ピッチングの基本は、バッターの目線から近いところに速いボール。遠いところに遅いボールと言われていますけれども、その基本を遺憾なく発揮していると言いますか。



1番速いボールで150キロを越えるくらいですから、アベレージは146、7のボールなんですが。それをバッターのインコース目掛けてというところで、コントロールが抜群。



真ん中の160キロより、きっちりコースを突いた140キロの方が手強いですから。



力感のないサウスポーというタイプでは、日本での方がよく見かける投げ方のピッチャーである。



そのボールをもう先発が15試合くらいになるところですけど、バッターがみんなそのインコースの速いボールに振り遅れているんですよねえ。



引っ張り込むようなタイミングで狙っていったバッターが差し込まれているんですよ。

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