【読書日記】「リカバリー・カバヒコ」「ハンナのいない10月は」
本屋大賞ノミネート作を全部読もう作戦の途中です。
今週は雨模様が続いて、本屋に買いに行くタイミングを逃して一冊、本屋大賞とは関係のない積読本を消化しました。
いやはや、修論のない生活は輝いております。
青山美智子「リカバリー・カバヒコ」
去年の本屋大賞ノミネート作である「月の立つ林で」以来、この著者は二冊目。
「月の立つ林で」と同様、少しずつつながりのある連作短編形式。色々な悩みを抱える各章の主人公が「カバヒコ」という寂れた公園に置かれたカバの遊具を通して、再起する物語。
この著者の作品はただ単純に「明日も頑張ろう」と思わせてくれるパワーがすごい。登場する主人公たちがそれぞれ異なる悩みを抱えているから、読者はその内の誰かしらにはすごく感情移入できるようになってる。短編形式にはそんな効能があったんだ! と感心してしまった。
ちなみに、個人的に一番好きなのは表紙。検索してもらうと分かるんですけど、表紙には「カバヒコ」が描かれていて、その顔面があまりにも「カバヒコ」すぎる。このアホっぽい表情が荒んだ心を癒してくれるんだと思うと愛しくてたまらない。
相川英輔「ハンナのいない10月は」
本屋大賞とは関係ない積読本の一冊。大学の研究室を中心とした日常ミステリーという帯に惹かれて購入。タイトルのハンナは猫の名前で、研究室に住み着いている。
ハンナの可愛さは確かにあったけど、肝心のミステリー要素についてはいまいち没入しきれなかった。作中で、主人公たちの通う大学がライバル大学から妨害を受けていて、スパイが潜入しているという設定なのですが、そんなことあるか? という違和感を解消できないまま読了してしまった。
伏線の回収もなんとなく消化不良な感じがして、うーん……。というのが正直な感想です。
読書メーターで他の方の感想を見ていると、この著者はSFを主に書いているらしいので、たぶんSFは面白いんだと思います。実際、どんな凄腕作家にもいまいちな作品の一つや二つありますからね。マイナー作品はそういうのを引いてしまう可能性があるのが玉に瑕。
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