【読書日記】「占星術殺人事件 改訂完全版 」
今週は一冊しか読めなかった……
島田 荘司「占星術殺人事件 改訂完全版 」
いかにも本格ミステリ!という味わいでした。冒頭の手記パートが鬼のように読みにくいという引っかかりこそあったものの、本編は
とにかく印象的だったのは、そのスケールのデカさ。
やたらと細かい緯度経度の計算がずらずらと続いて、その計算結果の座標に死体が埋められてる。
だとか
40年に渡って日本中の人々が考えても、ついに解かれなかったトリック。
だとか、時間軸からフィールドの規模感に至るまでとにかくスケール感がすごい。それに占星術の要素も加わって、オカルト要素まで入ってくる始末。
ちなみに、本作は作者からの挑戦状があるタイプのミステリなのですが、私は例にもれず当然分かりませんでした。なんなら、解けたことなんて一度もない。小説の冒頭から再三「作中の情報だけで解明できる」と明示されてるあたりが本格ミステリって感じですよね。
この時代のミステリは新本格へと移っていく過渡期? みたいなことがあとがきで書かれていたのですが、この辺りのミステリの流れを知ってると、もっと色々な楽しみ方が出来そうだなぁ、と常々思ってしまいます。
特に古典ミステリは作品そのものの面白さに加えて、「この時代におけるこのトリックの奇抜さ!」的な読み方もあると思うので。
どっかに日本ミステリの時系列をまとめてくれてないかなぁ? 各地点での代表作とかも載ってたりするやつ。
ミステリを書きたい側の人間としてはやっぱりこの辺りの知識も持っておくべきだろうし、そもそもクリスティとかクイーンあたりをちゃんと読んでおくべきですよね。
ミステリ沼が深すぎて新参者には到底全体像を眺めることは叶わなさそうだ。
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