第2話 魂に宿るは獅子
「うぅ……」
見知らぬ天井だ。
目を覚まし真っ先に思い浮かんだ感想、下らなくはあるが1度は言ってみたかった。
辺りを見渡すと、他にも目覚めてる人がおり、それぞれ隣の人間に話しかけたり、まだ眠っている友人を起こしたりと、意外と自由である。
正直なところ、先程の声が気になって仕方ないが……今は隣に眠る悪友を叩き起こさなければならない。
ばちこん。
それなりの力を込めた叩きは効いたらしくソイツが目覚める。
「い゙っ…つぅ……」
「目ぇ覚ましたかアホンダラ。」
「手加減しろバカめぐぅ…」
こいつの名前は
どちらかの思いつきに乗り、後先考えず行動。そして怒られる。という1セットを何度も繰り返している……まぁ、1:9で俺はそこまで悪くない、大体こいつが原因だろう。
「状況説明いる?」
「面倒だから三行で頼む。」
「みな光り
消え行き眠り
目を覚ます。」
「川柳で言えとは言ってないな。」
「ま、定番も定番ド定番を考えるなら、異世界転移とかやろ。」
「んな事あってたまるか…と言いたいが…。」
ショッピングモールほどの高さがある天井、皆周りの人を気にする事しかできていないが、ちょっと離れ気味に辺りを騎士とか兵士みたいな格好をした人らに囲まれている。
その上、誰が座ってるのかは分からないがバカデカい椅子まで置いてあるが故に
「役満か。」
「役満…だなぁ…。」
「むしろコレで異世界じゃないなら逆に怖いわな。」
皆が起きた頃、兵士が散開し、椅子の方にスペースを開け、そこに座る人物がよく見えた。
「貴殿らが____」
まあ、面倒な事だろうし耳からの情報をシャットアウトして先程の声と現状について考えようか。
一般人ではあるが、昔は一応転生者だったからこそ皆より早くこの状況に慣れたのだろうが……酷く胡散臭い。
いやはやや。まさか、今世であの声を聴くことになるとは運命とは分からぬことである。
ジキルの戦士シリーズ。
前世において1番と言って良い程ハマっていた作品であり、現在1番頭を悩ませる要因である。
先程の声に聞き間違いさえなければ同時に聞こえた数はおおよそ40...つまり、歴代作品と同じ数の声がした。
転生特典は貰っていたが、あの神が言っていた「今はこれだけ」というのにも説明がついてしまう。なんともまぁ…はた迷惑なことで。
転生特典[四重思考]
人間として壊れてしかいないが、脳が四つになったと思えば良い。二重思考とかよくあるから「倍にしたら凄いんじゃね!?」と思った自分を殴ってみたかったが、今はこれが最適なのだろう。
転移の定番といえばステータス、故に見られる可能性がある眼の前ではなく、脳内で完結させてしまおうではないか。どうせ実質4つも使えるバグ性能ならとことん使ってやる。
ほら開けステータス。
名前: 《
Lv.0(+)
体力:77
耐久:222
筋力:85
魔力:78
走力:90
知力:120
スキル: 待ち望む 正義の証 魂に
[貴方が望むヒーローが貴方へと継承されました。]
………確定。
ほぼほぼというか確実なまでにジキルの戦士関連だわ。
そうなると、ステータスの数値にさえ意味がありそうだが…………………………………。
あ。
体力の77は第21期戦士、メダルといくつかの伝説上の生物を合わせたモチーフの
[ジキルの戦士 ドラゴニア]
主人公
それならば、耐久の222は37期戦士、スマホ+忍者で作られた
[ジキルの戦士
この作品の変身アイテムである忍者スマホ、略して忍ホを変身にて使う時のコードが222…つまり、ニンニンニンという訳の数値だろう。
筋力85は…11期戦士、初期の時代が変わりが無かった変身者は改造人間という定番の最後の作品であり、理不尽の権化であった
[ジキルの戦士 アスネット]
この作品の中心である星の力は…今はいいか。その主人公である
魔力78は簡単だ32期戦士、タロットカード+未来と過去を合わせたモチーフの
[ジキルの戦士 トキフダ]
漢字で書くと[時札]のモチーフとなっており、尚且つ収集を行っていたタロットカードの枚数を合わせたもので、大アルカナ小アルカナの両方存在する。もので全部で78枚。これであろう。
走力90……コレはジキルの戦士個々というよりは、全体的な基礎フォームスペックにおいて全ての戦士が90mを5秒未満で走り抜けられることに由来していないだろうか?
全シリーズを思い返してみても、変に90と言う数値に注目する作品はないし、恐らく間違いはない。
知力120に関しては、最新作40期戦士、地球における自然現象+ロボをモチーフにした作品にして転換期となる作品
[ジキルの戦士 シーオー]
名前の由来は[4]と[0]の連想、[4→し][0→英語のО]から来ている作品で、これも通常フォーム用アイテム数115個+強化変身用アイテム5個を合わせた120個のアイテムからだろう。
恐らく知力の理由は主人公がIQ200の天才高校生というある意味で新しい設定の主人公から持ってきているはずだ。
そして、定番のレベルは0。
このパターンならば、1番よく分かってしまう。
始まりのジキルの戦士、改造人間グレード0ランクの[レオ]からの連想ではないだろうか?
まあ、たとえコレが1であったとしても、始まりのジキルの戦士、[勇気のジキル1号 獅子のレオ]とも言っていただろうが。
一旦、考え事と自分の事だけは纏まった。……仕方ないし、王様(?)の話でも聞くか。
「____えるのか勇者様!」
「勿論です!」
おい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます