第1話 転移と意志は同じ頃

 転生。

 ネット小説だったりアニメ等なら昨今聞き慣れた言葉であり、使い古されている言葉である。


 かくいう自分________《一面 巡イチメン メグル》はそうである。


 頭が可笑しくなった訳ではなく事実なのだ。

 薄い根拠でしか無いが、前世の名前も、文字も…それこそ、人気だったモノまで覚えている限りは言える。

 1番分かるものといえば、おおよそ40年続いていた

 ジキルの戦士シリーズというものであり、日曜朝の定番番組である。……まぁ、おおよそというのは40年目の年に死んでしまった為に次のシリーズがどこまで行ったか知らないからなのだが。


 一応、この世界では覆面勇者シリーズという似たようなものになっている。


 どちらもある程度話は違えど、仮面や覆面を被った戦士が悪の組織と戦う話であるが、これ以上語ると休みがなくなってしまう故に、ここで打ち止めだ。





 昼休み。

 皆が休む憩いの時間。

 それは我らが福々東高校も同じである。


 いつもの昼時いつもの時間、それが崩壊した。


 弁当を食べ終わり友人との会話を楽しんでいた時、それは起きた。


 光り輝く教室、段々と消えていくクラスメイト。

 未だ消えずにいる人が逃げようとするが、窓も扉も開かずその人も消えた。


 自分が消えたと自覚した時、泡沫のように消えゆく意識の中で自分の1の人生で聞き慣れた声が幾重にも重なり合い頭に響き渡っていた。



《変身!!》





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