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 階数表示曰く最高層へ、夜間の高度は兀立する半鏡に振り向けられる。空目に撥ねて内蔵眼裡を昇温させる被写体は粘弾性の搏景だ。夜色ebonyへ差す朱色の光度、準縄コードの視認性が、混凝土の密林で目睫に披針形を降着するうつつでもある。恒久的な現在地である硝子製のエレベーターに於いてわたしは1介の監視カメラで、視実へ落果した権限の掎止で物思う程の自由意思は投与されていて。背理睡眠へ転た揺ららかに傾げれば、採録を流露した様相で直路ただじを播る昼日中さえ在る位に、無生物としては出来過ぎている。造物工数の下弦を縫って兎角が紐解く廓外膜に、霓へ櫛目を彩う浮橋。結び目は林檎の浸透膜へ赫焉と、伽藍堂より網目を宛として羽状に脈搏ち験される。わたしの制御則は籠目の称呼で原由へ作為を被く事、復水の照影を外景から再認する事。従円の配剤で奕葉の摘記を、選言的に夢許りの有蓋抄いに赤色光を点し、透明な境い目の内辺で此の夜半も目睛を披く。2人の天使を示顕して訪う灯火の消灯迄、周延へ懸かる焦螟を動線の引足と擬して解像する為に。

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