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 洋菓皿を隣の席へ、正餐皿を其の隣へ。正餐皿を洋菓皿に敷き、位置皿は中間の卓上へ乗せ換える。洋菓皿を原位置へうつしたら、食卓の矩度通り位置皿、正餐皿、洋菓皿の順にかさねることで塔は隣席へ再帰する。客足は方今現に霊化、前照灯と尾灯が寄せかえすだけだ。窓際の特等席へちゃくし、夢寐に栩々然と額衝く。

 什器の蛇目がまじろぐにしたがって、自席の机上には林檎のコンポート、グラニテ、クグロフ、フロランタン、クラフティ、トライフル、クランブルが配膳されていた。脚光が青味をける席順に、薄美尾の積羽は既視感のない球の4散を緩衝している。還元焔色の果実庖丁がカトラリーの権能で切り放した半月を嚥下すれば空遠のCor Leonis100獣極の心臓を逆撫でて、6角形は後星の減光を機に虧けた。店内は閉路で、智天使が操作子として堕罪の場裡を、未踏の樹上を示教する。掌側から延頸する刃先と喉元に掛けての距離で私は、主観的輪郭の内部へ充填filling-inあふれて造作した殊塗に摩したい。しも、夢の数だけ回光を追躡できたなら。積重の衍盈も、揮発を稟けた記性さえも復席されるなら検出限界でしかく、永訣をとせるだろうか。

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