社畜、シリーズを完遂する


学生たちの夏休みの期間、予想以上に早く時が過ぎ去っていった。


毎日ダンジョンに通い、社長と共に撮影する日々。

もはや我が家よりも長くいたと言っても過言ではないだろう。

……うん、間違いない。


さて、ここらへんで一つシリーズの振り返りといこう。


1日目  

    初の正式なダンジョン攻略だった。

    一度来たことはあったがそれは爺さん

    たち協会でと仕事だったからな。

    思ったこと、わんこ型魔導人形多すぎぃ!


2日目〜7日目

    もうちょっと上層を見ようってことで

    まだ行ってないところに行っていた。

    (中層への入り口はマッピング済み)

    ひたすらわんこを倒しながら遺跡を見

    るものものだった。


8日目 

    上層の階層ボスをフルボッコにした。

    社長にもらったドローンはえぐかっ

    た。

    余裕そうに魔導人形のレーザー避けて

    たもん。

    科学の進歩は素晴らしい! 科学かは

    わからんが。


9日目

    いざ中層へ! と意気込んで入ってみ

    たけど上層と景色はあまり変わらなか

    った。

    でも今度はわんこが出なくなってヘビ

    のような魔導人形が出てきた。

    ヘビ! この見掛け倒しめ!

    ちなみにこいつは普通に強かった。


10日目〜15日目

    ひたすらにヘビを倒しながらの遺跡観

    光。

    上層とは違って部屋らしきものの数も

    多く豪華そうだった。

    マジでなんでダンジョンにこんなもの

    が?


16日目

    ここで突如として面白いものが出てき

    た。

    灰色のスライムのようなやつが突如と

    してヘビの魔導人形の姿になったの

    だ。

    面白いと思いながらぶっ倒すと魔結晶

    《まけっしょう》のかわりに灰色の核の

    ようなものが出てきた。

    レアドロップ的なものなのかな?

    とりあえずアプリの収納に入れとい

    た。


17日目から23日目

    おいボステメェ! マジでどこいるん

    だよ!

    ここ数日間ずっと探してたけど出てこ

    ないぞ!


24日目

    ついに……ついに見つけた……

    マジでこいつ、ふざけんなよ!

    まさかのこのボス時間指定だったの

    だ!

    いつもより遅くなったのでそろそろ帰

    ろうかとしたところ突如として魔力が

    上がった。

    その場所を確認してみたところ侍のよ

    うな姿をした魔導人形ゴーレムが

    現れたのだ。

    時間を確認したらきっちり8時をさし

    ていた。


25日目

    今回でついにボスを倒せた。

    ついに……ついにボスを探す地獄が終

    わったのだ。

    戦い始めると上層のようなレーザーを

    出してこなかった。

    攻撃は実直な剣術と体術のみ。

    結構俺好みの相手だった。

    スキルを確認してみたところ聖剣術と

    いうスキルを持っていた。

    スゲェ! ってそれ欲しいんだが!?

    まぁ、無理なんだけど。


26日目〜30日目

    再び地獄が始まった。

    今度はボスではなく深層への入り口探

    し。

    今回のシリーズ最終目標は夏休み終了

    までに深層の入り口を発見すること!

    故にまだダンジョンに潜っているの

    だ。


31日目

    見つけた。

    終わった。

    地獄が終わったのだ……ガクッ



とまぁこんな感じだった。

それはもうめちゃくちゃ濃い夏休みだった。


そんで今現在はシロと晴翔から呼び出されていた。


「えーと、そんで一体何のようだ?」


俺がそういうとシロと晴翔は互いにニヤッと笑っていった。


「ふふふ、それはですね……晴翔さん」


「はい、ぜひこちらにきてください! ストさん!」


俺はシロと晴翔に連れられるがままに連れて行かれた。

そしてそこにあったのは……


「……すごいな……これ……」


俺がそれをみて驚いているとそれをみてシロと晴翔はこう言ってきた。


「どうですか!」


「凄くないですか!」


俺の目の前にあったのは……


「これって……ギルド?」


目の前には〝ストギルド〟という看板のついた立派なモダンハウスと言うべきギルドだった。


「でも完成まではまだかかるって言ってなかったっけ?」


そう、そうなのだ。

確か前に時間がかかるって言っていたはずだ。

まだやっても1ヶ月くらいのはずだ。

流石に早すぎないか!?


「サプライズですよ! グループ加入を記念しての緊急建築です!」


「もちろん、セキュリティなどの性能は落としていませんので安心してください!」


マジか……

てかサプライズだと?


「俺がサプライズを受けるとはなぁ」


「早速ギルド加入の応募が山ほど来ていますよ!」


「は? まだ俺はまだ募集してないぞ? 協会へのやつもやめさせたし……」


「あ、それは私たちが勝手に募集してました」


え、もう勝手に?

……なんか俺って仮のギルド長って感じじゃない?

実際に建築を急いでくれたり募集してくれたりしているのシロと晴翔だし。

ま、まぁ、それは考えないでおこう。


「ちなみに募集の条件は? 流石に全員受け入れるわけにも行かんだろう」


「はい、もちろんです。応募するときにスキルやレベルなどのステータスを開示してもらいます。そこで一定以上のレベル、優秀なスキルを持っている人のみを書類審査合格として面接である二次審査に移行していただきます。まぁ、でもそれが出るのも時間がかかるのでまだゆっくりできますよ」


ん、まて。

まだってことは……


「もちろん、二次面接の時はストさんもやってもらうので想像を絶する忙しさになると覚悟しといてくださいね?」


「ですよねー」


「まぁ、それはともかく。早速ギルド兼ストさんの自宅を見ていきましょう!」


「ギルドとストさんの自宅の案内開始です!」

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