社畜、発表する
『スト探』さぁ、諸々発表していくぜ!
15:00分から配信予定
待機人数:6.7万人
チャンネル登録者:156.6万人
〝ワクワク!〟
〝突然の発表とは?〟
〝てか登録者150万ってやばっ!〟
〝ついに収益化か!?〟
〝なお、ここまで1週間くらい〟
〝↑ヤバすぎ……〟
〝えー、そんなストさんの発表に全世界が注目しています〟
〝楽しみだ!(英語)〟
〝マジの模様〟
俺は配信の告知をして今現在開始数分前の動画待機のコメントを見ていた。
いや、みんなコメントしすぎじゃない?
まだ配信始まってないぞ?
しかも待機人数6.7万人ってなんだよ、バグかよ。
チャンネル登録者も前より増えてるし。
ま、まぁ一回このことは置いておこう。
気にしたら負けだ、うん。
そして時間になり俺の配信が始まる。
「よーし! お前ら! スト探の時間だ!」
〝キチャァァァ〟
〝発表って?〟
〝もろもろってことは複数?〟
〝楽しみすぎる!〟
〝待ってました!〟
俺の声が入った瞬間、コメントが一気に加速する。
「というわけでな、今回はタイトルにある通りいろんな発表を一気に済ませたいとおもう。最近色々ありすぎて全部その発表してたら大変なことになるからな」
「マジ?」とコメントの多くが言ってあるがこれは事実だ。
いろんな発表がありそれを一個一個動画にしてたら時間が足りない。
「よし、じゃあ早速発表していこう。この度俺は……シロの所属するYouWatchのグループ、〝パワラー〟に所属することになった!」
〝うぉぉぉ!〟
〝マジか!〟
〝いきなりぶっ込んできやがった!〟
〝ついにグループに!?〟
〝↑ということは動画投稿頻度が上がる……?〟
〝はっ!〟
〝確かに……〟
「まだまだいくぜ! もう一つは、収益化が通った!」
俺がそう言った瞬間、コメント欄が赤一色に染まる。
〝収益化!?〟
〝いや、わかるけどさ〟
〝絶対それ一本の動画にするべきやつだろ!〟
〝¥10000 一番乗り!!〟
〝¥50000 だぁ……初回逃した!〟
〝¥10000 おめでとう!〟
〝¥5000 やったな!〟
え?
どゆこと?
コメント欄が急に赤一色になっちまった。
え、なにこれバグ?
収益化でなんか金を渡せるようになったらしいけどその際にバグが起きたのか!?
ってか10000かとか50000とか金払っている人いるし、ダメだろそれは!
「ちょっとバグが起きているみたいだけどそれは放っておいて一回金を払うのはやめてくれ!」
〝¥20000 なんでだよ〟
〝¥45000 そうだよなぁ。今月の食費〟
〝¥48000 ね、なんでだろうね。今月の家賃〟
〝¥50000 変なこと言うなぁ。学費〟
「おいおいおい! 家賃とか食費とか学費とかそんな大切なものを使うんじゃねぇ!」
マジだ大事だからなそれ。
金はめっちゃ大事だからな!
元社畜で金に困っていた俺だから説得力は抜群のはずだ。
……なんか言って悲しくなってきた。
ま、まぁ一旦置いといて。
まじでこの赤いのはなんなんだ?
俺が不思議に思っていると、10000という高額の金と共に教えてくれるコメントがあった。
〝¥10000 赤いのは10000以上のスパチャをした人の証だよ〟
「え、そうなの?」
〝おい、なんで言うんだよ〟
〝面白いところだったのに……〟
〝ごめん、でも流石にそろそろ言わなきゃ動画が……〟
〝それもそうか〟
え、ってことはこれ知らないの俺だけ?
くぅぅぅ……めっちゃ恥ずかしいんだが!?
クッソ、これ絶対に爺さんにいじられるやつじゃねぇか。
最悪だ……
おっと、でもコメントの通りこのままだと動画が進まん。
早く続きをやろう。
「一旦ひとまず置いといて次に行こう」
〝¥30000 おいw〟
〝¥5000 置いとくなw〟
「いやぁ、なんの話かよくわからないですね。じゃあ次は一気に二つ行こうと思う」
〝嘘だろ!?〟
〝まだ続きがあったのか!?〟
〝多すぎだろ発表〟
「まず一つ目、この前話したギルド設立……事務所の建築が決まった!」
〝うぉぉぉぉ! ついに本格始動!〟
〝スト×シロ×天才、なんだよこれ……神かよ〟
〝↑神だよ〟
〝最高すぎる!!〟
〝きたぜぇ!〟
〝知らせがどれも神すぎる!〟
〝待て、もう一つが残っているぞ〟
「そんで最後は……シリーズ企画だ!」
〝シリーズキタァ!〟
〝つまり同じことを何回もやってくれるってことだろ? なんだ、神か〟
〝最高!〟
〝具体的には?〟
〝これから夏休みだしそれ関係か?〟
おっと、いいコメントがあった。
「そこのコメント、大正解だ! これからやるシリーズは〝夏休み『魔導人形ゴーレムの遺跡』攻略祭り〟だ! 夏休みということもあっていろんなところに行くだろうがもちろん宿題もある。そこで2、3日に一回の息抜きとでも思ってみてくれれば嬉しいな」
〝ダンジョン攻略キタァ!〟
〝しかも解放されたてのダンジョンじゃねぇか〟
〝いいよ、良すぎ〟
〝か み し り ー ず〟
〝↑せめてカタカナにしろよw〟
〝絶対に見ます!〟
「今回のシリーズは前もってとったものを出す形となっている。ライブを期待していた人は悪い」
〝そうなのか〟
〝まぁずっとライブをやるわけにもいかないもんな〟
〝ストだって仕事があるんだろうな〟
〝予定もあるしな〟
俺はそんなコメントを見てこう思った。
あぁ、優しい世界。
会社じゃ絶対にふざけんなよ! とか言われるやつだ。
ありがたい。
本当に。
「でも、今回のシリーズは〝パワラー〟が全力で協力さしてくれる手筈となっている。ライブとは違った動画が見られるはずだ」
〝パワラーの全力協力……〟
〝なるほど、神回か〟
〝パワラーの全力なんて最高意外のなんでもない!〟
〝パワラー×ストなんて最強だろ!〟
〝いいね、最高だよ!(英語)〟
〝海外ニキも盛り上がっています!〟
「これで今回の動画は終わりだ。次の動画からが〝夏休みシリーズ〟だ。ぜひ楽しみにしていてくれ。じゃあな!」
配信は終了しました。
「ふぅ、こんなものか」
俺が配信を終わらせ、そう呟くと
「おう、いいと思うぜ」
と、後ろから声が聞こえてきた。
後ろを見るとそこにいたのはパワラーの社長その人だった。
「見てたのか」
少し苦笑を浮かべながらいうと「まぁな」と返された。
社長だし大事な告知を自分の目で見ときたかったんだろう。
「それじゃあ始めるか」
「そうだな」
俺と社長は顔を合わせていった。
「「シリーズ撮影を」」
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