社畜、ボスバトルをする
さぁてと、ボスはどう出てくるか。
俺はSSダブルエス級ダンジョン「魔導人形ゴーレムの遺跡」の上層のボスと対峙しながらそう考えていた。
まぁ、ゴーレムだからね。
基本は多分打撃攻撃とかそういった物理攻撃をしてくると思うんだ。
でも……
「あの目のところの結晶やつ……絶対にビームとか出るよなぁ」
まず間違いないだろう。
だってもうぜひここを見てね! ってアピールしている気もするほどド派手な赤だから。
他の部分の色は灰色とかそう言った地味な感じなのに……
そのおかげでめっちゃ目立ってる。
ふむ、向こうからは仕掛けてこないな。
5分くらいこうしてにらめあってるけど全く動かない。
……だったら
「こっちから行かせてもらおうか!」
俺はそう叫んでそのまま突進。
一応いつでもビームなどをぶったぎれる用に分離サプライション短剣ナイフを構え、スキルを発動し魔力を監視している。
魔導人形の至近距離に迫っても動く様子がなく、先制攻撃として俺が爺さんからもらったもう一つのナイフを使って攻撃を当てようとした瞬間……
ピカッ
魔導人形ゴーレムの目のように見える結晶が光った。
うーん、これはね。
間違いないな。
いや引きつけるのはわかるよ?
敵の攻撃を引きつけて攻撃するのはわかる。
でもさ、
「ゴガァァァァァァァ」
「直でビームぶっ放すのは違うと思うんだよなぁ!」
そのまま俺は結晶に集まっている魔力の一番濃いところを狙いに定め、分離短剣サプライションナイフを振るった。
その次の瞬間、魔導人形から放たれた極太レーザーは俺の振るった分離短剣に当たった瞬間青白い光へと姿を変える。
「グガッ!?」
魔導人形が驚いたような声を上げたが俺はそれと対局の反応をしていた。
「ハッハァ! いいな、これ! こんな極太レーザーさえも無効化できる!」
レーザーを分解し、青白い光へと変わるほど俺のスキルに映る魔力センサーの魔力量がどんどんと上がっていく。
どうやらこの武器はスキルなどを分解し魔力へと戻すようだ。
だったら!
「ガガガッガ」
俺に攻撃が無効化されたことに気づき、再びレーザーを打とうとした魔導人形は自身のレーザーが出ないことに驚いた様子だった。
「こうして魔力を俺の全身に纏わせたり奥に移動させたらもう使えないよなぁ!」
そうして俺はそのままダンジョンの地面に着地し、つぶやいた。
「さぁ、フルボッコタイムの始まりだ」
そう言った次の瞬間再び俺は魔導人形に向かって走り出す。
さっきの攻撃無効化で俺の体内魔力は4割消費した。
残るは保険をかけて一つ少なくしてあと5回!
魔導人形に放ったレーザーを避けながらどんどんと接近していく。
そしてある程度近づくと
「圧縮ッ!」
魔力を足に圧縮、即解放することでの高速移動。
これによって魔導人形の背後に移動する。
「グゴゴォォォ」
俺に気づいた魔導人形はレーザービームをさっきとは違う形で発射した。
「7つのレーザーってすごすぎだろ」
俺に7つのレーザーが槍のように迫ってくる。
俺はそのまま一つの槍を避け、二つ目に迫ってきた槍を分離短剣で弾く。
「あと4回!」
「グガァァァァァァァ!!!!」
「うげっ! さらに増えるのかよ! これじゃドローン飛ばせねぇじゃねぇか!」
俺に避けられたのが気に入らなかったのか魔導人形ゴーレムはさらに追加で3本のレーザーを出し、計8本となった。
そんだけ出してもスキルで魔力の線は直線ってことがわかるからな。
「見え見えなんだよ!」
あのレーザーはスキルである。
だから当然魔力がこもっている。
だからこそ、魔力の線を避けていけばかわせる!
「そして要所要所は弾く! 後2!」
一気に2つレーザーを弾いた。
そうして避けて残った後4本のレーザーが俺に迫ってくる。
一本は顔をずらしてかわし、もう一本は横に移動して避ける。
ラスト2本は……避けられない。
だから
「弾く! 1、0!」
これで分離短剣サプライションナイフの回数制限は尽きた。
だが、ここまで近づければ十分……
「ガガッ!?」
「じゃあな、ボス魔導人形ゴーレムッ!」
俺はもった二つの武器と自信にここら一帯の前魔力を注ぎ込んだ。
魔力の威力+勢い。
その威力は通常の何倍にも膨れ上がる。
「これで終わりだ!!」
「ア……ガ…………」
俺が全力で魔導人形を攻撃すると、魔導人形は言葉すら残さず消えていった。
そして最後には大きい魔結晶が残った。
「ふぅぅ、勝ったぁ!」
てかなんなんだよあいつ!
あんだけレーザーぶっ放してきやがって!
もし俺が配信でここにきてたらどう責任を取るつもりだったんだ!
まぁ、モンスターだからそんなこと言っても無駄なんだが……
「ま、いっか。終わったことだしな」
次の配信は上層を少しやった後に中層に行くか。
流石にもう一回あいつと戦うのは無理だし。
にしてもこの武器強すぎだろ!
俺は今魔導武具アーティファクトを二つ持っていることになるぞ?
しかも最高級レベルの。
うん、やばい。
普通に持ち出してるのやばい。
早くしっかりとしたセキュリティのところにしまわないとな。
「ちょっと電話で武器用のセキュリティをお願いしとくか」
俺はそんなことを思いながら魔結晶をダンジョンガイドアプリの収納に入れ、家に帰った。
やっぱこれ便利だわ。
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