社畜、武器を試す

「あ、それとその能力の発動条件なんだが……」


俺がおっさんスゲェー! って、思っているとそのおっさんが付け足ししてきた。


あ、発動条件があるのか。

っといってもいくら真ん中に当てる必要なあるとはいえスキルさえも分解するこの能力になんらかの発動条件がないわけがないか。


「それって?」


「いやまぁ、発動条件と言ってもいいのかわからないが能力を使う時は体内魔力を使うのだ」


体内魔力……か。


この世界にはご存知魔力が存在するがそれは大まかに言えば……といってもそれしか分けられないが二つの種類がある。

体外魔力と体内魔力だ。


体内魔力はそのままの意味で体内に存在する魔力だ。

その魔力量は個人によって差があり、なかには膨大な量の魔力を持っている者もいるが大抵の人は体内魔力でスキルを5発くらい打つも魔力切れを起こしまともに動けなくなる。


それに比べ体外魔力はダンジョンに存在する無尽蔵とも言える膨大な魔力だ。

魔力を操ることで自身のスキルを発動させることができる。

これによって自身の魔力は消費しない。

ただし、周りの魔力がごっそりとなくなり、同じ場所ではずっと打てるわけではない。


まぁ、ぱっと見体内魔力なんてただの雑魚じゃないか、と思うのも無理はないと思うのだが実はそうではない。

体内魔力は魔力量が可哀想な代わりにその濃度が高いのである。

魔力濃度とはそのままスキルの威力に結びつく。

さらに魔力には魔力効率と呼ばれるものがあり、体内魔力はその効率が非常に高いのだ。


例えば身体強化などの強化系などはスキルによる魔力消費が少ないため、体外魔力よりも体内魔力の方が威力が出せある程度持続して使えるという特徴がある。

ようは、どちらにもメリットデメリットがあるわけである。


「体内魔力ってことはそこまで能力をつかえないわけだな」


「そうだ、本来なら5発が限界ってところだがお前なら15くらいならいけるだろう」


え、なんで?

普通なら5回なのになんで俺なら10回?


「どういうことだ?」


「それはお前さんの魔力制御の才能が非常に高いからだ。武器を作るにあたっていくつかお前さんの動画を見せてもらったんだがな、間違いない。まずシロとのコラボの時、普通ならゴブリンとはいえ地面にめり込むほどの威力は人間には出せない。説明するならば無意識に魔力を制御し、拳にこめていたくらいだ。誰かが提案していた2段回攻撃を数日で習得できたのもその影響だろう」


そうなのか。


「でもそれと魔導武具アーティファクトになんの関係があるんだ?」


俺がおっちゃんに素直に聞くと「実はな?」とすこしドヤ顔で言ってきた。


「魔導武具の魔力を使う能力と魔力制御は密接な関係があるんだ。魔力制御のレベルが高ければ高いほど使う魔力も節約できる。お前さんのレベルならば通常の倍くらいは使えるというわけだ」


へぇ、そうなのか。

でも嬉しいな。

ずっと社長とかにお前は無能だ! って言われてた時と違って才能があるって言ってもらえるのは。


「だがいくら強いとはいえ、回数制限があるし真ん中に当てなきゃ意味のない物だ。何か強いやつにあって追い詰められた時のワンチャンある切り札とでも考えておけばいい」


そうだな。

いくら強いからって過信をしてはいけない。

強いものを手に入れたことであぐらをかいて不用意に使っていざとなった時に使えませんじゃ意味がないからな。


「じゃあ最後にこれだな」


俺がそんなことを考えているとおっちゃんが短剣に鍵のようなものを使って何かしていた。


あ、あれって!


「おいおっちゃん。今何してるんだ?」


「あぁ、これはマーキングだ」


マーキング?

なんだそれ。


「まぁ簡単にいえば持ち物登録だな。もしこれをスト以外のものが持つとストの場所へ戻っていくようになる」


はぁ?

すごすぎるだろそれ!

もう最強の盗み対策じゃないか。

おっと、さっき過信するなと誓ったばかりじゃないか落ち着け俺。

でもアレか、爺さんもあの魔導武具にマーキングしてくれていたのか。

結構優しいとこらあるじゃん。


「よし、これでOKだ。じゃあまた用が来た時によろしくな」


おっちゃんはそい言いながら俺を外に送り出してくれた。


「ああ」


「あ、ちょっと待ってくれ、大事なことを言い忘れていた」


俺がそう言ってそのまま歩こうとするとおっちゃんにそう止められた。


「その青白い刃を持つ短剣は分離の短剣サプレイションナイフだ。ちょっと長いがな」


「そうか……」


分離の短剣、サプライションナイフ。

いいじゃないか。


「それじゃあな」


「おう!」


そうして俺とおっちゃんは分かれ俺はそのままとある場所に向かった。


「というわけでまぁ武器をもらったからには試し斬りするっきゃないよなぁ」


はい、きましたダンジョン。

あ、ちなみに今ここは結晶の洞窟ではない。

ここは魔導人形ゴーレムの遺跡だ。

俺とレリックで犯罪組織をボコした後ダンジョン協会の調査が入り、それが終わった後普通に解放されたのだ。


中に入るとそこはいつぞや見たながい通路があった。


あぁ、懐かしいな。

まぁ1週間も経ってないが。

ここを永遠と進まれるように空間を固定されたんだっけ?

確か俺とレリックでひたすら空間を攻撃して魔力切れで倒したんだったな。


「ガガガッガー!!」


俺がそんなことを考えていると早速出てきた。


「お出ましか! はじまして魔導人形ゴーレム!」


そしてそのまま俺は魔導人形の懐に入る。


「そんで、サヨウナラ」


「ゴガァッ!!」


魔導人形に2回の攻撃が一瞬のうちに入り、塵とかした。


ふむ、やっぱり魔力をより多く込めると威力が増すな。

おおよそ2割くらいか?

多分前の時に使ったものだと倒せていないと思う。


俺はそのまま奥に突き進んだ。

ちなみに魔導人形さんの塵が50体くらいできました。


「さぁて、いよいよ上層のボスのお出ましだ」


ダンジョンには上層、中層、深層ごとに一体ずつボスが存在する。

そいつを倒すと次の階層が現れるわけだ。

前にボスを倒さなくても中層に行けたのは爺さんによると異常個体イレギュラーを倒したことが理由らしい。

まぁ、上層にはキャパオーバーの強さだったしそう考えるとボス攻略判定になってもおかしくないのかな?

まぁいいか。

それよりも今はこのボスに集中だ。


そうして俺とボスは互いに戦闘体制をとった。

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