社畜、シロの新技を見る
「えーと、これは……変わりすぎじゃないか?」
「……ですね」
〝これはヤバいw〟
〝変わりすぎだろ!〟
〝ダンジョンって不思議だなぁ〟
〝↑マジでそれ〟
〝雪山ってなんだよこれ〟
〝意味わからん〟
俺たちが今絶賛困惑しているのは、他でもなくダンジョン中層の状況だ。
上層は草原といった感じでゆったりとした感じだったが
中層は完全に雪山で遭難しているような感じだ。
でもだからと言って氷点下ほどに気温が下がっているわけでもなく、ただ寒い、それだけなのだ。
もしこれが氷点下までいってたら俺らはもう凍えてるぜ。
よかった、マジで少し寒いぐらいでよかった。
「とりまどうする? 一回戻って服とか整えるか?」
俺はいいんだがシロがどうかはわからん。
万が一ここで無理して行って風邪とかなんかの病気になったりされたらこまる。
「あ、大丈夫ですよ。私東北の方出身なので」
あ、そうなの。
だったらそっちの方が寒いだろうし大丈夫なのかな。
「じゃあこのまま行くってこと?」
「はい、そうしましょう」
〝おおっ、行くのか〟
〝まさかの直行〟
〝そうだよなぁ、そうでなくちゃ〟
〝ストだったらそうだろなぁ!〟
〝いいぞ! もっとやれ!〟
〝最高だぜぇ!〟
〝大丈夫なのか?〟
〝↑まあ、大丈夫だろ。ストだし〟
〝確かに、ストだしな。なんとかなるだろ〟
なんだろう。
なんかコメントを見てるとバカにされたような感じがしたのだが……
まぁ、いいか。
そんなことよりも今はモンスターと戦いたい!
そう思いながら歩くこと数分後、ついに俺たちは中層のモンスターに遭遇した。
「これは……ヘビ?」
「完全にヘビですね」
〝なにこれ〟
〝ヘビじゃん〟
〝↑それな〟
〝なんか拍子抜けな気がする〟
〝うーん、反応に困る〟
〝強そうに見えて弱そうに見える、微妙な感じだ〟
〝↑マジでそれ〟
〝てかヘビって恒温動物じゃなかったっけ?〟
うん。
なんというか、コメントにもあったけど反応に困る。
ベビだからね、自然界とかではめっちゃ強いんだろうけどゴブリンとか狼サンドバッグとかと比べちゃうとねぇ。
いや、まぁ一応確認するんだけどね?
ステータスは……
で、どんな感じかなぁ……
______
種族 アシッドスネーク
レベル 73
カテゴリ 爬虫類 毒持ち
スキル 蝕毒しょくどく
討伐推奨 レベル70代
______
え、毒?
まじで?
えーと、内容は……
______
スキル名 蝕毒しょくどく
効果 ある一点に毒がつくとだんだんと侵
食していき、体を蝕んでいく。火に
弱く毒を燃やすことで治すことがで
きる。
「うげっ、マジかよ。もしかして病院行ったりする?」
「え? ど、どういうことですか?」
シロが俺のこぼした声に反応してそう聞いてきた。
「いやぁ、こいつさ。まずレベル70なわけ」
「え、高っ!」
「さらにおまけで毒までついてくるんよ」
「うわぁ……それは……」
シロは明らかに嫌そうな顔をしながらそういった。
まぁそりゃあそうだろう。
1発でも当たったら毒が全身に回っていくってかなりの地獄だからな。
もしこれで対処法が一切ないんだったらもう速攻上層に戻るけど、別にそういうわけではない。
「でも、その毒は炎に弱くて触れただけで毒が消えるっぽい。だからシロのスキルがあればちっさい炎でも解除はできると思う。それに魔力がなくなっても俺が引っ張ってくればいいだけだし」
俺がそうシロにいうと「なるほど、確かに……」と納得してけれた。
〝こ れ は や ば い〟
〝モンスター逃げてw〟
〝相性最悪やんけ!(モンスター目線)〟
〝あーあ、御愁傷様〟
〝さよなら、ヘビ。君のことは1分後までは忘れないよ〟
〝↑短かw〟
〝さらばだ名もなきモンスターよ〟
〝いや名前はあるだろ〟
さぁてと、ここまでわかればあとはフルボッコの時間だ……
「いくぜシロ!」
「はい、いきましょう!」
俺とシロがそういい、同時にヘビもといアシッドスネークに接近すると奴はやはりというべきが予想通りというべきか口から紫色の液体を放ってきた。
まぁ、十中八九毒だろう。
「来るとわかっていれば怖くない!」
俺はその毒を顔を逸らしてよけ、そしてそのまま拳に魔力を込める。
そうしてそれがアシッドスネークに当たった瞬間、二回の衝撃が走り吹っ飛ぶ。
「ふう、だいぶ慣れてきたな」
何回かやったおかげが二重衝撃ダブルインパクトのやり方にも慣れてきて、1回目から約0.5秒後には2回目が走るようになっていた。
1発目で敵の防御をぶっ壊してからの無防備なところに第二撃。
大体の敵ならこれ1発で倒してきた。
「だかやはり中層のモンスターというべきか、1発では倒れない」
「ストさん、怯みありがとうございます! 次は私がいきます!」
アシッドスネークが俺の攻撃で怯み、もっ一回しようとしたところでシロからそう言われその場に留まる。
「新技を持っているのはストさんだけじゃないんですよ!」
なに?
シロも新技あるのか!
炎の新技。
前は炎を一定方向に限定して発射していたが今度は一体?
「炎を分離、圧縮……」
シロがブツブツと言いながらスキルを使うと、炎がだんだんと変化してきた。
前にも見た大きな炎が無数にわかれ、さらにそのわかれたものが小さく圧縮されていく。
それは空中に浮かぶ無数の弾丸のようにも見えた。
「いきます私の新技! 焔弾丸フレイムバレット!!!」
その瞬間、空中にあった無数の炎の弾丸が一斉にアシッドスネークに向かって飛んでいく。
最初はやる気満々な様子の毒ヘビ(アシッドスネークのこと)だったが、焔の弾丸を見て慌てて逃げ出した。
だがそれをシロが許すわけもなく、毒ヘビは見事に散っていき、小さい魔結晶が出てきた。
「ふぅ、よかった。成功した……」
シロが安堵している中俺は驚いていた。
マジかよ。
これはヤバい。
小さな威力に見えるけど1発1発がすごい熱量だ。
銃に例えるなら広範囲を攻撃するショットガン、その球全てがスナイパーライフルのような貫通性能を持っているようなもの。
全てを貫く弾丸が全方位から襲いかかってくるようなものだ。
威力もまだ全力でないとはいえ俺の二重衝撃ダブルインパクトの七割くらいある。
「とんでもないぶっ壊れ技だな。それ」
「どうですか! 私だってやるんですよ! ストさんが言われた〝圧縮〟をヒントにしたんです」
〝シロさんスゲェ!〟
〝なんだこの2人……天才か……?〟
〝天才だよ〟
〝そうだよ〟
〝やばすぎる〟
〝2人ともすげぇ!〟
〝ストの2回攻撃全く見えなかった!〟
〝↑マジでそれ〟
〝でも跡として二つ残ってたもんな〟
〝すごすぎる!(英語)〟
この後も2人で雪山のいろんなところを回ってみたが毒ヘビしか出てこずさっきの繰り返しになったので動画を締めることになった。
「じゃあこんな感じかな?」
「そうですね」
「よし、じゃあお前ら。といっていいのかわからないがとりあえずここで終わりにしたいと思う。ずっと同じやつとしか戦ってなかったからな。次は俺の動画に来てくれ! その時はもっと別のところに行ってみたいと思っている。それじゃあ終わりの挨拶を」
「それではみなさん、さようなら!」
〝バイバイ!〟
〝さいこうだった!〟
〝↑それな〟
〝じゃあな〟
〝次で!〟
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