く第5話 理想と現実
ある日ふと思い返してみる。彼女が病気でなかったら、私がもっと心が寛容な人なら、金銭面で余裕ができ彼女に無理をさせなければ、
考え出すときりがない。そんな事は承知だがどうしてもたらればを考えてしまう。思えば思うほど他のカップルが羨ましく感じてくる。ただ私の彼女も病気を抱えてはいるが笑顔が素敵で家事もでき、周りからも好かれる。そんな彼女を大好きだし離したくないと思っていた。
いい事も勿論ある。彼女の父親はとても優しい方で私たちの交際に喜んでくれ、ご飯などご馳走になった。お酒が好きなようでいつも飲んではフラフラになりながら彼女と同じ満面の笑みを浮かべ「また飲もうね」と優しく話してくれた事を今でも覚えている。あの時に飲んだビールは格別な味がした。
楽しい日だけではない事も事実だ。とある旅館に一泊で旅行を企画し当日、彼女の具合が悪くなり急にキャンセルをしてしまう。と言った事も日常茶飯事だ。無理して行くより彼女の体調を考えた方がいいに決まってる。そう思いながら、いや、自分に言い聞かせながら毎日を過ごしていた。
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