第6話:愛しの韓国ラーメン
韓国ラーメンという存在を知ったのは、いわゆる韓流ブームが始まるよりも一足早い2000年ごろだったと思う。高校通学の時に使う乗換駅の近くに、韓国人が経営する食材店を見つけて、興味本位で入ってみたのがきっかけだ。
初めて買ったのはラーメンではなく、レトルトカレー(おそらくオットギ社)だったと思う。日本向けの製品ではないので、パッケージは全て韓国語だった。韓国風ハヤシライス(ということだが、後に「チャジャンパプ」のことだと知ったので、甘味噌ダレ)も買った。韓国料理と言えば辛いイメージだったが、どちらも意外なほどに全然辛くなかったのを覚えている。
一緒に来ていた友人が興味本位で買ったのが、パッケージに大きく「辛」と書かれた袋ラーメン。そう、「辛ラーメン」だ。韓国人が辛いと言うのだからよほどのことだろうと思っていたのだが、その予想を裏切らなかったようで「滅茶苦茶辛い!」という感想をメールでもらったのを思い出す。
高校生の頃の私は、それほど辛いものに強くは無かったので、それ以来「辛ラーメン」を買うことも食べることもなかった。いつの頃からか具体的には思い出せないのだが、成人してから次第に辛いものに強くなっていった気がする。たとえばタイやベトナムなどの東南アジア系の店に同僚や先輩と一緒に行くと、私にとってはちょうどいい辛さなのに、同行者には辛すぎて無理だと言われたりした。
「辛ラーメン」と再会したのがいつの頃か覚えていない。作って食べてみたら確かに辛かった。というか今でもかなり辛い。付属のスープを全部使って作るのは、よほど調子がいい時である。しかし美味しい辛さであり、トッピング(卵など)や付属物(ヨーグルトなど)があればちょうどいい辛さになる。今では、自分のためにインスタントラーメン(袋麺)を買う時は、ほとんど韓国系ばかりになってしまった。
さて、辛ラーメンを含む韓国ラーメンは、日本のラーメンとは作り方が根本的に異なる。日本式だと「茹でてからスープを入れる」のに対し、韓国式は「スープを溶いたお湯で茹でる(煮る)」のである。パッケージ裏の作り方にちゃんと書いてあるが、先入観から日本式と同じように作ってしまうとうまくいかない。味の好み以外で韓国ラーメンに苦手意識がある方は、そもそも正しい作り方がわかっていなかったパターンも少なくないのではなかろうか。
韓国ラーメンが辛すぎるという方に、とっておきの食べ方を伝授しよう。付属の粉末スープを使う量を減らして、代わりに味噌(+ダシの素)を加えるのである。量については塩分量を基準にするのがよろしい。例えば辛ラーメンなら5グラム弱なので、スープを半分にしたら大さじ1杯の味噌(塩分約2グラム)を加える程度がちょうどいい。もちろん、味噌汁(もちろんインスタントでも)そのものを混ぜてしまってもよい。韓国ラーメンは全てを受け入れてくれる。余ったスープは鍋物や炒飯などの味付けに使うと無駄がない。
前回の記事でも触れたのだが、「煮込む」という性質上、鍋物との相性が抜群である。例えば2人分の鍋を作る場合、1人前のラーメンとスープにたっぷりの具を加えて作るのがよいだろう。味噌を使った味の調整はこの場合にも役に立つ。
辛ラーメンの話ばかりをしたのだが、他にもノグリラーメン(ノグリ=たぬきで、マスコットキャラにもなっている)も好きである。肉系の辛ラーメンに対して海鮮のノグリで、例えば鍋に入れる時はメインの具によって使い分けるとよい。他の種類も開拓してみたいと思いつつ、安くて手軽に買える機会が少ないので、なかなか手が伸びにくいのが現状となっている。
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