女性(?)萌え声Vtuberは今日も秘密ですっ!
皇 夢萌
第1話 俺は何者かって?
高校生。それは人生で一番青春ができる時間。
「大哉ー、今日帰り飯行かね?」
「あーわり、今日用事あるから。」
「はー?おまえいっつもそうやんけ。たまにはええやんかー!」
「わりー、また今度な、んじゃ。」
「ちぇっ、つまんないのー。」
そんな時に俺は友達とも遊ばず、彼女も作らずまっすぐ家に帰っている。
俺は何者かって?
…ただの男子高校生だよ。
「ただいまー」
「おかえりー。ってあら、今日帰り早いのね。」
「ああ、今日は”あの日”だからな。」
「あーそうえばそうね、遅くなりすぎないでね??」
「わーってるって」
部屋に着くなり、パソコンの電源をつける。
そしていつものサイト、いつものチャンネルを開く。
「ん゛ん゛っあーあー」
機材の確認をし、”ライブ開始”の文字をタップする。
同接 1万
「こんにゃん~!今を時めくにゃんにゃんアイドルっ!ハイライブ2期生、猫乃 ゆうだ~にゃんっ!」
…ん?俺は何者なのかって??
A.女性(?)萌え声Vtuberアイドル 猫乃 ゆうだ。
俺はオタクだ、それも超が付くほどの。Vtuberにはまったのは3年前、中2の時で当時、デビューしたてだったハイライブの1期生、雪 彩華(ゆき さいか)に出会い、一生懸命でファンを何よりも大事に思うその姿に、簡単に言うと、惚れた。ゆきりん(=雪 彩華)の配信を毎日寝る間も惜しんで追い、移動中はゆきりんのオリ曲を鬼リピ...そんな推し活はとても充実していた。
ある日、ゆきりんのオリ曲がカラオケに追加されたので一人カラオケに行くことにした。
ゆきりんの曲歌いまくるぞーと意気込み、わくわくでカラオケに行ったのだがそこで思いもよらぬことに気づいてしまったのだ。
俺は女声が、それもめちゃくちゃ可愛い萌え声が出せる、ということに。
それから二年間、ほぼ毎週のように一人カラオケに行ってひたすら萌え声で女性シンガーの歌を歌う、という奇行(?)を繰り返していた。するといつのまにか普段から萌え声と地声の両方で話せるようになっていた。
そんなときだった。
"ハイライブ、二期生オーデイション開催!!"
"詳細はこちらをクリック↓↓"
魔が差した、とでもいうしかない。俺はほとんど無意識にそのボタンをクリックしていた。
そしてその数日後。ハイライブから電話がかかってきてあっさりと俺のVtuberデビューが決まったのであった。
女性(?)萌え声Vtuberは今日も秘密ですっ! 皇 夢萌 @mumesan0924
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