六歳年上のお姉ちゃん系ロリが僕の彼女になったんだけど……!

「はーい、カップルドリンクのご注文ですね。お二人様はカップルということでよろしいでしょうか?」


 店員から完全にカップルとして認識されているようだけど、ここで否定するとカップルドリンクを注文できないので大人しく首肯する。


 琴葉さんも顔を赤らめながら頷いた。


 耳まで赤くなっていて可愛らしく、そんな琴葉さんに先ほど告白されたと思うとなにも考えずに受け入れてしまいたい気持ちが湧いて出る。


 店員が注文をメモして去っていくと、僕は少し話題に困る。


「……そういえば、琴葉さんは彼氏とか、いないの? 僕からしてみれば琴葉さんはモテそうに見えるんだけど」


 少し幼く見える外見と、少し大人びた中身を兼ね備えた琴葉さんは、男子から不人気なわけがない。


 そう思った僕が尋ねるが、帰ってきた回答は意外なものだった。


「これまでの人生で私に彼氏がいたことは一回もないよ。……葉月くん以外では」

「いや、僕はまだ……」


 言いかけて、琴葉さんの目が『ここは話を合わせておかないと』と訴えかけていることに気づいて、僕は口を閉ざした。


「琴葉さんに彼氏がいたことないっていうのはあんまり想像できないんだけど……」

「私が中学に入るころには、男子は全員誰かしらと付き合ってて、そのまま高校に上がって出会いなし。大学に入ってからは、幼すぎて誰にも見向きもされなかったよ」


 僕は幼い外見は男受けがいいと思っていたが、もしかしたらそうではないのかもしれない。


 男は結局……。


 考えながら琴葉さんの胸元を凝視する。


 ……。


「葉月くん、どこ見てるの?」

「ごめんなさい」


 言い訳は出来ない。


「謝らなくていいから。どこ見てたの?」

「……胸です」

「そっか。葉月くんも胸に興味があるお年頃なんだね」

「いやそういうわけじゃ」

「言い訳しなくても良いんだよ、男の人ってそういうものなんでしょ? 私は受け入れるから」


 胸は小さいが途轍もない包容力、さすがお姉ちゃん系ロリだ。


 でも、僕は別に興味から胸を見ていたわけではない。


 だがそう言ってもどうやら無意味のようなので、大人しく受け入れられておく。


「ご注文のカップルドリンクになります。ごゆっくりどうぞ」


 店員さんが僕を見る目が冷たかったような気がする。


「それで、私と付き合ってくれない? どう? 駄目かな?」

「いや、でも、琴葉さんも大学とか忙しいだろうし、僕も受験勉強があるからあんまり彼氏らしいことは出来ないだろうし……」

「それでもいいから。駄目?」


 実のところ、僕の中で反対意見はほとんどなく、唯一の懸念点は葉さんがどう思うかということと、従姉弟で結婚は出来るのかということだった。


「葉さんはどう思うかな。結婚は出来るの?」

「お父さんはオッケーしてたし、法律上従姉弟は結婚できる!」

「不束者ですがよろしくお願いします」

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