第11話
さらに二ヵ月後、
およそ80キロの体重。
小学生の頃から習っていた空手を再び始めた事によって、
筋肉はより一層、引き締まり、見た目にもすっきりとした身体(からだ)つきとなった。
とは言ってもまだ、かなり「太め」である
さらに3ヵ月後、
空手やその他の努力の効果もあって、体重は68キロ。
月にして、平均4キロから5キロの減量である。
太っていた頃のこの女を知るものは彼女を「別人」と見るだろう。
モデルのように変身したから周囲の者は、驚きで声も出ない。
今までの巨漢の女と同一人物だ、とは誰もが思えないでいる。
この女の肉感的な雰囲気は、女性としての魅力を引き立たせ、人目を引いた。
以前の猛牛のような雰囲気はない。
やがて、その八百屋には美人がいると言う事で評判となり、客も増えた。
趣味程度でやっていたオヤジは急に忙しくなり少々不機嫌になった。
だからと言ってこの女を嫌ったわけではない
それどころか、大いに気に入って、この女にふさわしい仕事を見つけてあげようと思ったのである。
・・・・・・・・・・・・・・
さて、ここまで、主人公を「この女」と呼んできたが、話の展開の都合上、
名前が必要となってきた。
性は「上村」と言い名を「ツルギ」と言う。
・・この名は、誕生の前日に父親が剣の夢を見た事から名づけられた・・・
今後は、この女をツルギと呼ぶ。
生まれは、北国のA市、父親は商社マン。
小学校高学年から父の仕事でアメリカへ。
この時期に、肥満体質へ変化したと思われる
学生時代、仲間からは「ルギー」と呼ばれ人気者であった
帰国後、東京の私立高校へ帰国子女として入学・卒業。
語学力と成績の良さと父親のコネで某有名アパレルメイカーに入社。
入社五年後に、両親を飛行機事故で失う。
その数年後、退社。(冒頭で述べたイジメが原因)
以上が、この女の来歴である。
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