　カフェ「ベンⅡ」

ではママ兼ウェイトレスの一人二役を熟していた。

「喫茶ベンⅡ」のオブジェにフジバカマが生殖していた。

喫茶の玄関前に繁々と生い茂る。

　それは１７年前、ベンⅡのお馴染みだった篠山教授が、研究中のアサギマダラの事を調べてくれたお礼にと、一里山犬太に贈答されたもので、その一時間前に犬太は池永奈緒美の手に因って後頭部を打撃、脳出血を発症し、有馬警察から緊急搬送された最寄りの病院にて息を引き取っていた

。丁度その頃、春樹が産まれていた。

「春樹はパパの生まれ変りなんだよ。」

キリコの口癖に異論を唱え「ママが僕を妊娠したのは約１０ヶ月前だから秒単位でパパとチェンジ出来るか？馬鹿げてる。」

キリコに論破していたが、「可愛くもないよ僕ちゃんは！」膨れっ面をして脚を組んだ左足を外し、さっさと厨房へ入るキリコに「腹へった。何か作ってよ？」

と言ったが、後の祭り。

洗い場に立ち、「年中腹減らして居なッ！」

カップを洗い始めたらテコでも動かないキリコであった。

「

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい