第3話思春期の長男

カップを洗い始めたらテコでも動かないキリコであった。

「ボクちゃん氷割っておいてね?」


モーニングサービスの食器セットを両手に抱えながら長男の春樹に告げるがティーンエイジャーは、チラ見しただけで、無言で押し通して店を出て行った。


「オイッ!思春期かよ・・・。フゥーッ、疲れた・・・。」


洗い場に皿やカップ、フォーク、ナイフ類をシンクに置いて厨房を出る。

 客席で両手を伸ばして突っ伏していた。

脱力感が心地良い。

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