第5話 ギルド到着

「うおぉぉ」

 二人はギルドの前に立っていた。ギルドはかなり大きくここまで歩いてきたどの建物より大きかった。そんなことを思いながら二人はドアを開き中に入る。


ギルドの建物の中は中央が吹き抜けのようになっており、二階は酒場か何かなのだろう。かなり大きな声でしゃべっているのがわかる。正面には3つほどカウンターがあり、それぞれ受付の人が座っている。

どのカウンターも並んでおり、一番少ないであろう列に並びそわそわしながらも自分

達の番を待っていた。


「そういえばリューイチ、ならぶのはいいけど職業の事どう説明するのよ」


「あ、そういえば」


 しまった、なにも考えてなかった。もうすぐ俺達の番だ…ドウシヨウ

受付は茶髪のストレートという髪型でほんわかした感じの良い女性だった。


「こんにちは…」


「はい、こんにちは!」


「あの、はじめてギルドに…」


「あぁ、初めての方ですね」


 そう言って、受付嬢は何やら机の引き出しから厚い紙を取り出してきた。


「これからギルドについて、この紙を使いながら説明しますね」


「はい、お願いします」


まず、ギルドというのは未知を探求することを掲げている団体である。

そのために基本的に各都市に1つ、ギルドがある。

ギルドは商業、冒険、研究という3つを内包している。

それぞれ、実力が認められるとランクが上がり

ランクの分類は、一番下がEでそこからDCBAとなる

さらに上もあるそうなのだが初めてであれば、あまり気にしないで良い

…等々、小一時間ほど説明を受けた。


「ギルドに登録されますか?」


「はい!」

考えるよりも先に言葉が出ていた。



「それでは、この石に手を置いてください」

 ドンッと大きさの割には重そうな石が出てきた。


「これは?」

 

「これは鑑定してその結果が紙になって出てくる石…通称ギルド石です!」


「ギルド石…」


「さぁ、どうぞ」


「は、はい」

 どうにでもなれぃとそんな気持ちで手をかざす。

 すると、ジジジジと音がして向こう側に紙が出る。


「こ、これは」


やっばい魔王認定されちゃった?


「やばいですね」

 そう言って、紙をこっちに渡してくる。


「どれどれ…」

 

リューイチ HP100 MP50

 職業  

 スキル ツッコみ Lv.1

     召喚   Lv.1


 神様、これやっちゃってるねぇ。

 確かに、どうにでもなれとは言ったけどこれは…


「これまで何度も立ち会ったことはありますが何も書いてないのは初めて…」

 そして「少しお待ちください」と言い受付嬢はどこかへ行ってしまった。


「やばいんじゃないの?」

 今まで空気になっていたクリスが言う。


「まぁ、どうにかなるだろ。なぁ、クリスが石に手をかざすとどうなるんだ?」

 気になって聞いてみた。


「私が?まぁ、あんまり面白くないわよ?」

 クリスが手を石の上に置く。すると…ピカッと一瞬「ムキムキの筋肉爺さんがこっちを向いてポージングしながら向かってくる図」が脳裏に浮かんだ。


「うわぁぁぁぁぁぁ」

 あまりの恐怖に全身が寒気に襲われて叫び後ろに倒れてしまう。


「ビックリした、どうしたのよ急に」

 クリスには何も見えてないようだ。


「ナンデモナイデス」

 そう言って立ち上がる。


バタバタっ、どうやら受付嬢が戻ってくる様だ。



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え、魔王って? 流天 @Rutennohito

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