第3話 ココ、について

【おらぁ】

 そこにはさっきまでのドアを開ける龍一が写っていた。

「ぷぷぷ」

「犯人はお前かぁ!」

 犯人であろうクリスは堪えきれず噴き出していた。そして、龍一はピキっていた。

   ~30分後~

「さぁ、俺について知ってることを話してもらおうか」

「わかったわ、まずここについてね!」

 どうやら此処は無人島で周囲には不思議な海域があり、どうやってもこの島に近づけないようになっているらしい。

「ふむふむ、じゃあなんでクリスはいるんだ?」

「いいところに目を付けたわね、確かにこの世界の人では無理なものね」

「人じゃない存在か」

「そうよ、わたしは神よ」

「そうか神(自称)なのか」

 龍一は可哀そうな子を見るような目で見つめる

「なによ、そんな目で見ても服はあげないんだからね」

「くっこの戦法が通じないとは」コソっ

「え、いまなんて…?」

「ふむふむ」

 改めてクリスを見つめる

「え?」

 女神は…とても美しい顔をしていた。サラサラストレートの金髪で目鼻立ちもクッキリとしている。スタイルも...?(スレンダーだった)

「ちょっと、そんなに褒めてもなにもでないわよ?」

「なんだとッ思考を読み取られただとッ」

「そうよ、すごいでしょ?」

 真っ赤な嘘だった、口にでていただけであった。

「まぁ、それはおいといて。なぜ俺はここにいるんだ?」

「え、まぁ、その、複雑な事情があったのよ…聞きたい?」

「もちろんだ」

「まず、貴方は死んだの。とんでもない事故でね。」

「ふむふむ、とんでもない事故?」

「そう…まず、偶然あなたが足を引っかけて転んで歩いてた人にぶつかったの」

「なるほど、それで?」

「そして二人とも倒れて車道に飛び出してしまった。そこにトラックが…」

「轢かれたのか…」

「躱わして通り過ぎたわ」

「…」

「安堵していた二人の上空には制御不能になったヘリコプターが…」

「もしかして…」

「制御できるように復旧してたわ。」

「関係ないのかい!」

 龍一は思わずツッコんだ.

「その後、ぶつかった人に謝り。いろいろな用事を済ませて龍一は眠りにつく。」

「はっはっは何も起きてないじゃないか」

「そして、眠っている龍一の家ごと爆破されたの。」

「えぇ、急展開すぎるって」

「政府の重要人物の隠れ家と思われてたようね。」

「なんでだよっ!」

 龍一は混乱してしまった。

「だいたいこんなところよ」

「なるほど、それでおれは全裸になっていたと?」

「まぁ、そういうことね」

「で、クリス。あんたはなんでいるんだ?」

「私は、神界のお偉方にあなたのサポートをっておねがいされたのよ!」

 クリスは、胸を張って答える。

「ふーん、サポートねぇ。で、これから俺はどうすればいいんだ?」

 龍一は首をかしげながら聞く。

「そうね、取り敢えずこの島から出ましょうか。」

 急にクリスは空間をタッチし始める。

「お、おい。何してるんだ?」

「ん?これ?あなたにも出来るはずよ?ほら、頭の中でステータスと呟いてみて?」

   ステータス

   山田やまだ 龍一りゅういち HP100 MP50

 職業 魔王(笑) 

 スキル ツッコみ Lv.1

     召喚   Lv.1


「ふーん」

やべぇ、魔王じゃん。

「どうだった?」

クリスが尋ねてくる。

「い、いやぁ。はははっ」

どうする、言っちゃうか?

「な、なぁクリス」

「ん?なに?」

「この世界に勇者とかいるのか?」

「いるんじゃない?あまりこの世界について聞いてはこなかったけど」

「おれのステータス見る?」

 龍一は、クリスに選択を委ねた。

「じゃあ、見させてもらうわ!」

「わ、わかった。くれぐれも他言無用でおねがいします。」

「なによ、急にかしこまって… えぇー!!」

クリスの叫びが島に響き渡る。

「ま、魔王ですってぇ!?」

「あ、あぁ」

「なんてこと、まさかまおうだなんて」

 ガシッ

「二人だけの ヒ ミ ツ な」

「そんなぁー」シクシク

そんなクリスを見ながら、龍一はソファに座り込みこの世界について想いを馳せていた。どんな世界なのかな、早くいってみたいなと…

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