資料:魔術探偵のメモ2

 霧。このM市において夜半、稀に日中度々発生している濃霧に高度な魔術的結合が見られた。このことは直ぐに魔界府の一課に報告したが、追加調査は私の担当となった。調査で分かったことは三点。

 一点目:これは巨大な結界術の一種であること。

 二点目:通信・認識阻害の術が一部に組み込まれていること。

 三点目:この結界は私の知らない術式と言語が利用されていること。

 特に三点目に関して、この結界を解除するにはどの言語体系にも属さない言語が使用されていることから歴史学や考古学的な知見もしくはそれに類する知見を必要とすることが示唆されている。ここまで広域の強力な結界術は人為的なものとは考えにくく自然発生と見るのが無難だが、このような周辺で利用されていない言語が自然発生することは考えにくい。

 この奇妙な現象について類例を当たるため自然結界による集団失踪事件の報告書、始末書を府庁一課に請求すること。


 追記:清水山のクソガキに売った解呪灰が利用されて秘匿物品が処理された件を来月までに報告書にまとめる。→警察に証拠品を貰うのが来月以降になるのでそれ以降に報告書を作成。

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