資料:国連秘匿保障委員会、秘匿物品回収報告書 『耳鳴りオヤジ』

秘匿物品報告【耳鳴りオヤジ】

担当者:北海道区域秘匿特別認定済み私立魔術探偵 蘇飛広

物品番号:20221280EAjp

物品種別:神霊・生贄

物品危険性:封印可能

魔術種別:B郡精神操作術/A郡霊魂操作術(操作者なし・自然発生)

秘匿物品強度:トン級

秘匿物品処理:破壊処理

物品通称【耳鳴りオヤジ】

物品外観:人間、取り込んだ人間と同じ姿・服装をしている。原典となる存在の姿は不明。神霊は日本人の中年男性の姿をしており、頭髪は禿げあがっていて、体系は肥満。ビジネススーツを纏っている。本体である神霊は魔力感知能力のない人間には不可視である。

物品魔術効能:本物品は電車内を結界として活動しているが本体の神霊は自由に移動することができる。結界内での主な効果は1.『本物品の創り出した幻影もしくは本物品に取り込まれた人間で構成される人形を目視した人間を結界の中に本格的に取り込む。取り込まれた人間には結界の魔術効果を必中させる』2.『結界の魔術効果は本物品の創り出した幻影もしくは本物品に取り込まれた人間より構成された人形の存在を視覚以外の五感でも認識できるようにすること』3.『人形もしくは幻影に対して対象者が反応を示すのを確認すると本物品は対象を取り込み呪殺する』4.『一度でも結界効果を受けた者は魔術的結合が繋がる限り永遠に本物品の幻影・幻聴・人形による追跡を受ける』の四つである。人形は物理的な攻撃により破壊可能だが魔力的な防護が掛っており、通常の鈍器などで壊すことは困難。

回収経緯・概要:5月3日以降、日没以降の微弱な魔力観測が続く車両『ほくさん号』の調査を6月3日19時45分、北海道区域秘匿特別認定済み私立魔術探偵蘇飛広が開始する。電車内には多くの魔力痕跡と結合の跡、そして『人形』の破片が残っていた。『人形』の破片と魔力観測・結合の跡から、本物品が5月3日以降の魔力観測の正体であることが推測されるが、神霊は既に電車の結界を解き移動していた。担当者蘇飛広は現場に残された魔力痕跡から次なる標的となっている電車を東M市駅停車の特急「すすき」号であると予測、6月4日に回収へと向かう。6月4日、担当者蘇飛広は函館発特急「すすき」号、函館駅構内で本物品『耳鳴りオヤジ』の存在を確認。一日で50人の被害を発生させた本物品であるが人形をすべて破壊し、神霊を攻撃、これを破壊した。

注意事項:発生メカニズム不明。全世界で同様の事例が観測されていることから魔力的力場のある全ての場所で本物品に類似した現象が発生する可能性が高い。対応策のため、可能であれば本物品に類似する物品は回収・封印が望ましい(蘇飛広)。


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