資料:国連秘匿保障委員会、秘匿物品回収報告書 【アレ】

秘匿物品回収報告書【アレ】

担当者:北海道区域秘匿特別認定済み私立魔術探偵 蘇飛広

物品番号:20221281EAjp

物品種別:神霊・精神寄生

物品危険性:封印可能

魔術種別:A郡精神操作術/A群神経操作術/A郡情報操作術/A郡霊魂操作術(操作者なし・自然発生)

秘匿物品強度:メガトン級

秘匿物品処理:封印処分

物品通称:【アレ】

物品外観:なし。魔術的結合の集合体。隠匿術的な作用も見られる。視認が術の発動条件のため外観は本来存在する筈であるが、安全な方法での確認が不可能であり、術式の効能からも確認はできないことが推察される。

物品魔術効能:大きく分けて三段階の効能を、言語を利用する生物にのみ示す。

第一段階:本物品を発見もしくは本物品を指す言葉を聞いた者に現れる症状。本物品を直接視認した者は直ぐに第二段階の症状を顕す。症状としては本物品を示す言葉(※1)を日常生活で意識し、対象者自身か他の対象者がその言葉を発すると相互に魔術的結合が強まり、本物品の情報が対象者により強く認識される。

第二段階:本物品を指す言葉にさらされてから10時間(※2)、もしくは本物品を直接視認した者は本物品による精神操作術・神経操作術の作用を受ける。本物品に近づく、もしくは本物品をより多くの人へ視認できるように行動するなどの兆候が見られるが、この作用はあまりにも本物品との距離が離れると作用しなくなることも確認されている(※3)。また、この段階までは本物品の一時的な封印で完全に解消され、本物品が封印を解かれても、再発しない(※3)。また、本物品に対する記憶の喪失でも同様の効果が示される(※4)。

第三段階:本物品の影響を受ける第二段階の症状が10時間継続することで、対象者は精神に多大な影響を受け、脳神経の一部が損壊する。言語能力以外の能力に影響が表れるが、主に影響は大脳皮質に集中している。第三段階の症状が2時間程度続くと対象者は消失し、魔力へと変換され本物品の魔力量が上昇する(※3)。消失した対象者の情報は情報操作術の影響によりほとんど消失する(※5)。第三段階の症状を示す対象者は介入術による術式の妨害と本物品に対する記憶の喪失、大脳皮質の自然回復により症状を回復することができる(※5)。


回収経緯・概要:6月7日、北海道区域秘匿特別認定済み私立魔術探偵 蘇飛広は北海道警察M市警察署の報告に基づき本物品の調査を開始、200号鳥居におけるM市計測山公園広場における6月5日、6月7日の魔力観測記録から本物品の場所を確認。6月8日午後4時15分蘇飛広による遠隔介入術によって封印され、午後5時30分に蘇飛広により回収。その後、6月19日に本物品を含めた6物品が国連秘匿保障委員会日本支局輸送者ギャリナ・レックスにより南極卿財団本部へ輸送され、6月21日午前10時に到着した。


※1:日本語では【アレ】、他言語での名称は付属資料20221281EAjp研究資料3の他言語での研究の項を参照

※2:本物品を指す言葉を認識するほどにこの時間は短縮される。研究資料2参照

※3:研究資料2参照

※4:補足資料を参照

※5:研究資料3参照

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