第36話 お姫様抱っこ
ほぼ同時に、
9つの猛火が、俺たち目掛けて吹き付ける。
俺は咄嗟に、ミネルヴァをかばって、魔法障壁を無詠唱で放った。
青い魔法光を放つ魔法障壁が、バリヤーとなって俺たちの目の前に張られる。
ルイズが、無言で弓を構えて、放つ。
『風の加護』を受けた矢が、
風をまとった矢が、
「にゃっ!」
フローラが、超速で移動して、
そして、すり抜けざま、アダマンタイトの戦斧で、
「ギャアアアアっ!」
俺も
ドサリと、
鮮血が、切断した首から噴き出す。
残った
「『風刃』」
エルフリーデが、風属性の魔法を唱えた。
真空の刃が、
ザンっ!
という音とともに、
「楽勝」
エルフリーデが、得意そうに顔を緩める。
「気を緩めるな!」
俺はエルフリーデをお姫様抱っこして、抱きかかえ、後方に跳躍した。
俺と、エルフリーデがいた空間に、
危なかった。
直撃されたら、即死だ。
俺はエルフリーデをおろすと、
「全員、気を抜くなよ!」
と、声を張り上げる。
「はい!」
「気を抜く暇なんてないにゃ! この怪物、ものすごく強い!」
ルイズとフローラが叫ぶ。
フローラの言うとおりだ。
かつてない強敵だ。
「ゴアアアアっ!」
部屋全体が、ビリビリと鳴動する。
凄まじい殺意とともに、
破壊されて、切断された三つの首が、瞬く間に元通りになる。
「再生した?」
「にゃー! 首が元に戻っちゃったにゃー!!」
「不死身?」
エルフリーデが、
俺は、感知魔法で、
「不死身じゃない!
俺は声を張り上げて、仲間に知らせた。
「では、肉体を破壊し続ければ、いつかは死にますね」
ルイズが、弓矢を連射した。
「にゃー! 不死身じゃないと分かって、安心したよ!」
フローラが、突撃して、
「『
エルフリーデが、氷属性魔法を唱える。
五本の氷の槍が、エルフリーデの杖から飛び、
皮膚と肉を貫かれ、
「ガアアアアアアアア!」
巨大な鉄塊が、暴風のように俺たちに襲い掛かる。
ルイズは、『風の加護』で、身体を風に包み、回避する。
フローラも、超速で移動し、首を避けた。
俺は、エルフリーデをお姫様抱っこして、
エルフリーデは、身体能力が、メンバーの中で一番低い。
エルフリーデだけでは、とてもの事、回避できないので、俺がお姫様抱っこして、
「師匠。大胆」
「何がだ!」
「美少女をお姫様抱っこできて役得?」
「アホか!」
俺が叱りつける。
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