第7話 ヒロイン3人の能力を模倣(コピー)する。

「じゃあ、すぐに恩寵者ギフターを発動して、君たち三人の能力を底上げしよう」

「え? もうできるのですか?」

「素速いにゃー」


 ルイズとフローラが軽い驚きを見せる。

「誓約で魂が繋がったからね。あとは俺が恩寵者ギフターを発動するだけだ。いくよ」


 俺は恩寵者ギフターを発動させた。

 ルイズ、フローラ、エルフリーデの三人が、先程と似た青い魔法光に包まれる。


「んっ」


ルイズが黄金の瞳を閉じて、何かに耐えるように頬を染める。


「あはっ、な、なんだかこそばゆいにゃ♪ き、気持ち良いけど……、くすぐったいような……」


ルイズも片目を閉じて、モジモジと身体を動かす。


「んんっ、なにか……変な……感じ」


 エルフリーデも、息を荒くして快感に耐えるように身をよじる。


 暫くの間、希少種の美少女三人は頬を染め、押し寄せる快感に耐えるようにモジモジと身を震わす。


 恩寵者ギフターの影響を受けると、最初少しくすぐったさと、快感を感じる。


 最初の内だけだから、慣れて貰うしかない。


「あ、なんだかおさまってきました」

「うん♪ なんだかドンドン力が湧いている感じがするよ」

「身体が軽く感じる」


 希少種の美少女たちがそういうと同時に恩寵者ギフターによる魔法光が消えた。


恩寵者ギフターは無事に発動したよ。これで君たちは飛躍的に強くなった筈だ」


恩寵者ギフターは、潜在能力を最大限に引き出す効果がある。

 現時点で相当、強くなった筈だ。


「確かに、力が溢れてきます」

「なんだか元気いっぱいだよ♪」

「絶好調」


 美少女三人が明るい顔をする。


「次は模倣コピーだ。君らの能力を僕に模倣コピーさせて欲しい。もちろん、嫌なら拒否してくれても良い」


 誓約が終わったので、模倣コピーする条件は整った。


 ここで彼女たちが、俺が模倣コピーする事を許可してくれたら、模倣コピーができる。


「拒否するなんてとんでもない、いくらでも模倣コピーして下さい」

「カインなら良いよ。いくらでも私の能力を使って♪」

「ん。好きなだけ模倣コピーして欲しい」


彼女たちが許可をくれたので、俺の『模倣コピー』が発動する。


 胸の奥に熱さを感じる。

 誓約で繋がった互いの魂が呼応しているのだ。

 俺だけでなく、ルイズたちもそれを感じているようだ。


 やがて、俺の肉体に力が湧き出てくる。

模倣コピーが完了した証だ。


 これで俺はハイエルフのルイズが持つ『風の加護』の能力。

 猫神族のフローラの驚異的な身体能力。

 精霊族のエルフリーデの大気から魔力を取り込む能力。

 これらを全て模倣コピーして、自分のものに出来た。


「早速、検証してみよう。森で魔物退治をする。準備は良いかな?」


俺の言葉にルイズたちが口を開く。


「はい」

「早く腕だめしがしたい♪」

「楽しみ」


 みんなヤル気満々だな。



◆◆◆◆



 俺たちは近場の森の中を歩いていた。


 全員が武器を構えて森を進んでいく。

 俺はロングソードに軽鎧をまとっている。


 魔法と剣技を双方使いこなす器用貧乏な俺は、一応、魔法剣士という職業に該当する。

 ルイズは弓矢と剣が武器だ。

ハイエルフは、『風の加護』という能力を生まれつき持っている。

 弓矢や剣などの武器を使う時に、『風の加護』が付与されて、威力が増す。


 フローラの武器は戦斧だ。


 猫神族のフローラは、種族的特性として身体能力にすぐれている戦士タイプなので戦斧は良いチョイスだ。


 精霊族のエルフリーデは魔法が得意なので、魔力を増幅する杖を持っている。


精霊族の種族的特性は凄まじく、大気中の魔力を吸収し、利用する事で魔法を操る。


 その為、魔法使いとして才能は、全種族の中でもトップクラスである。 三人が、どのくらい強くなったのか楽しみだ。


 ルイズたちは恩寵者ギフターで潜在能力を引き出せた筈だ。

 そこそこ強くなっているだろう。

 だが、俺の予想は完全に裏切られる事になった。


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